なかなか大層な歓迎会を開いてくれた。
大家族ってのもいいものだ。こんな和気藹々って存在するんだな。
お土産も喜んでもらい、夜遅くまで──とはいかなかったが、二十二時まで飲み続け、その日はキャンピングカーで眠ることにした。
「了。お風呂に入りたいわ」
「じゃあ、オレが初めて行った日帰り温泉に行くか。矢代さんの車を出してくれ。コンビニに行くか」
すっかり温水便座のトイレではしたくなくなったルーシャさん。元の世界に帰ったらどうするんだろうな?
矢代さんの車を出してもらい、近くのコンビニに向かった。
「田舎って車で行かないとならない距離なんだな」
歩けば一キロなんだろうが、なぜか歩く気にはならない。やけに遠く感じるよ。
ルーシャが済ませている間に朝食とコーヒーを買った。
「外食ばかりしてらんないな~」
こうして穏やかな日がやって来たのだ、料理も覚えたいよな。これまで卵焼きすら作って来なかった。人並みには料理ができるようにならんといかんぜよ。
ルーシャが戻って来たので家に帰り、ご飯を炊くとする。卵かけご飯がオレの朝食なのだ。
「おはよーございまーす!」
いつも元気な阿佐ヶ谷妹。これが若さというやつか。オレにもくれ。
「あー。了さんたちと知り合ってから朝が楽しみですよ」
そんな大層なものは出してはいない。ご飯以外はコンビニで揃えたもの。まあ、それじゃ味気ないので皿に移してはいるがな。
「明日は味噌汁を作りたいな~。卵焼きもチャレンジしたい」
動画で何回も観た。今のオレなら出来るはずだ。
「目玉焼きにベーコンってのも美味しいですよ」
「いいね、それ。よく見る朝の光景だ」
映像でしか観たことないが、まさに朝って光景すぎる。
「あ、漬け物も買ったんだった」
一応、魔法の鞄から出してある。美味そうと思って赤かぶを切って出した。
「日本の朝って感じだな」
こうして皆で食べるのもまた美味く感じさせてくれる。団欒って感じだ。
「今日はどうするんです?」
「家の掃除は終わったし、コインランドリーに行こうか。それが終わったら日帰り温泉。そのあとは買い物だね」
リフォームは来週から。洗濯機や冷蔵庫はそのあとに揃えるとしよう。
「カーテンは欲しくないですか? 灯りをつけたら外から丸見えですし」
敷地内だから歩いている人に見られることはないが、女性が住んでいるのだからカーテンは必要か。
「じゃあ、ホームセンターにも回ろうか」
「はい。そうだ。ここってWi-Fi環境どうなってます? 」
「うーん。ないね。電話線は通っているみたいだけど」
「その辺も充実させておいたほうがいいですよ」
確かに。ギガ制限がかかるとルーシャが怒りそうだからな。
朝食が終わり、洗い物を済ませたらコインランドリーに向かうとする。てか、この近くにないんかい! 国道近くまで行かないとなかったよ。
「へー。二十四時間スーパーとかあったんだ」
ハトのマークのスーパーはまだ開かないので、他を探していらすぐ近くにあった。これはありがたい。品揃え豊富そうだし、車ならすぐだ。コンビニに行くよりこっちのほうがよさけだ。
洗濯が終われば行ってみると、想像してたより大きかった。隣にはホームセンターもあったよ。
「なんかスーパーってわくわくするよな」
仕事をしているときはまったく思わなかったのに、大きいスーパーを見ると楽しくなっているよ。
「それならコス○コの会員になりましょうよ。一度行ったことありますけど、おもしろかったですよ。巨大なチーズケーキ、また食べたいな~」
おー知ってる。倉庫型会員制スーパーだろう。テレビ特集で観たことあるよ。
あのときはなんとも思わなかったが、今ならそのおもしろさがわかる。
「この近くだとどこになるんだい?」
「ちょっと待ってください」
オレも調べてみた。
「ひたちなか市かつくばですかね。どっちも似たような距離ですね」
確かに。似たような距離だ。
「ひたちなか市のほうが海鮮とか食べられそうですね。さつまいもとかも有名だったはず。マンションの近くに来ていた焼き芋屋さん、茨城県産って言ってました」
焼き芋ね~。なんか食べた記憶がないな~。どんな味してたっけ?
「ここでも焼き芋、売っているんじゃないですか?」
そうなの? と思ったら機械だけはあった。
「ないとなると食べたくなるよな」
美味しいと言われたら食べたくなるのが人って生き物。買い物をして出来るのを待った。
十時半くらいに完成したようで、とりあえず五本ほど買ってみた。
「うん。美味い美味い。焼き芋、こんなに美味かったんだ」
ちょっと感動すら覚える。焼き芋スゲーな。
「了、もっと食べたい」
あなた、三本食べたよね? まあ、いいけどさ。
「あんまり買い占めたら他の人に悪いから他のスーパーにも行ってみようか」
なんか買い占めそうな勢いだ。他の人も買いたいだろうからカーテンを買ったらハトのマークのスーパーに行ってみた。
「どこにでも売ってんだな」
流行りなの? 焼き芋ブームが到来なの?
「炙った干し芋も美味しいって聞きますね」
干し芋を持って来る阿佐ヶ谷妹。そんなの見せたらルーシャが欲しくなるじゃないか。
「了」
「はいはい。買い占めない程度にな」
魔法の鞄、食べ物で満杯になりそうだわ……。
大家族ってのもいいものだ。こんな和気藹々って存在するんだな。
お土産も喜んでもらい、夜遅くまで──とはいかなかったが、二十二時まで飲み続け、その日はキャンピングカーで眠ることにした。
「了。お風呂に入りたいわ」
「じゃあ、オレが初めて行った日帰り温泉に行くか。矢代さんの車を出してくれ。コンビニに行くか」
すっかり温水便座のトイレではしたくなくなったルーシャさん。元の世界に帰ったらどうするんだろうな?
矢代さんの車を出してもらい、近くのコンビニに向かった。
「田舎って車で行かないとならない距離なんだな」
歩けば一キロなんだろうが、なぜか歩く気にはならない。やけに遠く感じるよ。
ルーシャが済ませている間に朝食とコーヒーを買った。
「外食ばかりしてらんないな~」
こうして穏やかな日がやって来たのだ、料理も覚えたいよな。これまで卵焼きすら作って来なかった。人並みには料理ができるようにならんといかんぜよ。
ルーシャが戻って来たので家に帰り、ご飯を炊くとする。卵かけご飯がオレの朝食なのだ。
「おはよーございまーす!」
いつも元気な阿佐ヶ谷妹。これが若さというやつか。オレにもくれ。
「あー。了さんたちと知り合ってから朝が楽しみですよ」
そんな大層なものは出してはいない。ご飯以外はコンビニで揃えたもの。まあ、それじゃ味気ないので皿に移してはいるがな。
「明日は味噌汁を作りたいな~。卵焼きもチャレンジしたい」
動画で何回も観た。今のオレなら出来るはずだ。
「目玉焼きにベーコンってのも美味しいですよ」
「いいね、それ。よく見る朝の光景だ」
映像でしか観たことないが、まさに朝って光景すぎる。
「あ、漬け物も買ったんだった」
一応、魔法の鞄から出してある。美味そうと思って赤かぶを切って出した。
「日本の朝って感じだな」
こうして皆で食べるのもまた美味く感じさせてくれる。団欒って感じだ。
「今日はどうするんです?」
「家の掃除は終わったし、コインランドリーに行こうか。それが終わったら日帰り温泉。そのあとは買い物だね」
リフォームは来週から。洗濯機や冷蔵庫はそのあとに揃えるとしよう。
「カーテンは欲しくないですか? 灯りをつけたら外から丸見えですし」
敷地内だから歩いている人に見られることはないが、女性が住んでいるのだからカーテンは必要か。
「じゃあ、ホームセンターにも回ろうか」
「はい。そうだ。ここってWi-Fi環境どうなってます? 」
「うーん。ないね。電話線は通っているみたいだけど」
「その辺も充実させておいたほうがいいですよ」
確かに。ギガ制限がかかるとルーシャが怒りそうだからな。
朝食が終わり、洗い物を済ませたらコインランドリーに向かうとする。てか、この近くにないんかい! 国道近くまで行かないとなかったよ。
「へー。二十四時間スーパーとかあったんだ」
ハトのマークのスーパーはまだ開かないので、他を探していらすぐ近くにあった。これはありがたい。品揃え豊富そうだし、車ならすぐだ。コンビニに行くよりこっちのほうがよさけだ。
洗濯が終われば行ってみると、想像してたより大きかった。隣にはホームセンターもあったよ。
「なんかスーパーってわくわくするよな」
仕事をしているときはまったく思わなかったのに、大きいスーパーを見ると楽しくなっているよ。
「それならコス○コの会員になりましょうよ。一度行ったことありますけど、おもしろかったですよ。巨大なチーズケーキ、また食べたいな~」
おー知ってる。倉庫型会員制スーパーだろう。テレビ特集で観たことあるよ。
あのときはなんとも思わなかったが、今ならそのおもしろさがわかる。
「この近くだとどこになるんだい?」
「ちょっと待ってください」
オレも調べてみた。
「ひたちなか市かつくばですかね。どっちも似たような距離ですね」
確かに。似たような距離だ。
「ひたちなか市のほうが海鮮とか食べられそうですね。さつまいもとかも有名だったはず。マンションの近くに来ていた焼き芋屋さん、茨城県産って言ってました」
焼き芋ね~。なんか食べた記憶がないな~。どんな味してたっけ?
「ここでも焼き芋、売っているんじゃないですか?」
そうなの? と思ったら機械だけはあった。
「ないとなると食べたくなるよな」
美味しいと言われたら食べたくなるのが人って生き物。買い物をして出来るのを待った。
十時半くらいに完成したようで、とりあえず五本ほど買ってみた。
「うん。美味い美味い。焼き芋、こんなに美味かったんだ」
ちょっと感動すら覚える。焼き芋スゲーな。
「了、もっと食べたい」
あなた、三本食べたよね? まあ、いいけどさ。
「あんまり買い占めたら他の人に悪いから他のスーパーにも行ってみようか」
なんか買い占めそうな勢いだ。他の人も買いたいだろうからカーテンを買ったらハトのマークのスーパーに行ってみた。
「どこにでも売ってんだな」
流行りなの? 焼き芋ブームが到来なの?
「炙った干し芋も美味しいって聞きますね」
干し芋を持って来る阿佐ヶ谷妹。そんなの見せたらルーシャが欲しくなるじゃないか。
「了」
「はいはい。買い占めない程度にな」
魔法の鞄、食べ物で満杯になりそうだわ……。


