「おはよ!颯介君」



颯介君と付き合い始めてから私はいつも颯介君の家の前で合流出来るように颯介君が登校する時間に合わせて登校するのが日課になった。



「おはよう、愛衣」




私達が付き合い始めて一ヶ月私は相も変わらず颯介君が大好きだ。



だが、颯介君は違うのかもしれない。



付き合い始めた頃は笑顔が多かったのに最近では私の前で笑わなくなった。



「ねぇ颯介君」



「愛衣、今日の放課後教室残ってて」



「わかった、けど…何で?話なら今聞くよ?」



「じゃあ、今言うね…僕愛衣と別れたいんだ」



「…は?何で?私のこと嫌いなの?!私は颯介君のこと大好きなのに?!私のどこが駄目なの?!直すからもう一回付き合お?ね??」



颯介君の二の腕を掴み捲し立てると颯介君は言った。



「重いんだよ」



「何が?」



「気持ちが。今だって僕に合わせて登校してる」



「好きだからずっと一緒に居たいって思うのは駄目なの?」



「思うだけなら自由だよ。でも愛衣はさ、実行してるじゃんもう…ストーカーだよ」



颯介君の声が震える。



「ごめん!ごめんね!?そこ直すからもう一回考え直して?」



私は必死に懇願する。



だが、願い虚しく颯介君は言った。



「それは無理だよ。先行くね」



颯介君が足早に立ち去るのを私はただ呆然と見送った。



そして颯介君は私以外の女の子と付き合い始めた。