14 ユカラはこのあと殺される

「マーカーを置いて終わりとは行かなくなった」と俺はハルニレとカンナに言った。

「謎の声を無視する選択肢は無いんだね」とハルニレは嬉しそうに言った。

「どの道攻略する気でいたからな」と俺は顔が赤くなるのを隠しながら言った。

「へえ」とカンナは何故かやや不機嫌に言った。

「ともあれ、少し皆の戦力を確認したい。ステイタス画面を見ながらで良いからスキルを教えてくれないか?」と俺は提案した。

 二人は頷いて「ステイタスオープン」と各々唱えた。

「ステイタスオープン」俺もまた唱える。
 が、ステイタス画面が文字化けして読めない。なんだこりゃ?

「私は基本的に雷撃を中心にして戦闘を組み立てる。短剣は持つが基本的には中距離が得意かな」とカンナは言った。

「私は一応剣士だけれど正直戦闘は自信がないの」とハルニレは申し訳無さそうに言った。「ただ時々夢を見る」

「夢?」カンナは訊いた。

「多分予知夢。ほぼ当たるけれど誰かに話すと外れるの」とハルニレはさらに申し訳無さそうに言った。

「ならばつまり『時々謎の行動があってもそれは理由がある』と見て良いのか?」俺は訊いた。

「実はもういくつか夢の通りになっているの。パーティーから逃げる事とか」そこでハルニレは神妙な顔つきをした。「この先のことも」

 それが何かを聞けない。外れてしまうからだ。しかしふと思った。
「外して欲しい予知夢は話せるという事か」

「そうなの!」とハルニレは力強く言った。「だから言うね」

 ユカラはこのあと殺される、とハルニレは言った。