5日間の恋人ごっこ



せっかくの全国大会出場が決まった日だというのに、ミーティングにも参加できず先生の車で家の前まで送ってもらった。

家の前まで来た頃には私もだいぶ落ち着きを取り戻していて、体の震えも止まっていた。

まだ心配そうな様子の先生にお礼ともう大丈夫だということを伝えると、「今日はゆっくり休みなさい」と残して学校まで戻っていった。

理由も聞かずにすぐに車を出してくれた先生には感謝してもしきれない。


家に入ろうとドアノブに手を伸ばすが、寸前のところで止める。

お姉ちゃんは、もう帰ってきているのかな…。

スマホの電源を切ったためその後どうなったのかは知らない。

もうすぐで付き合って二年半で、大学も同じところに進むために二人で勉強をしていたのに突然恋人を失ったお姉ちゃんは、きっと見ていられないほど取り乱しているだろう。

そんなお姉ちゃんを見たら、私だって嫌でも認めるしかなくなる。


踵を返して、行くあてもなくフラフラと住宅街を歩いていく。

バスケゴールが設置されている公園まで来たところで、やっと詰めていた息を吐き出す。

これから、どうしたらいいんだろう…。

私はお姉ちゃんの彼氏を好きになってしまった。

無邪気に笑う顔やお姉ちゃんを見る優しい目、普段はからかってくるくせに私のことまで大切にしてくれて、高校受験の時には夜中まで勉強を教えてくれたこともあった。