5日間の恋人ごっこ

お姉ちゃんがどこまでいってもヒロインなように、私は廉くんにとって“大切な彼女の大切な妹”という存在だから。

どこで出逢っても、きっとそれは変わらない。


「記憶がなくても瑠那のおかげで楽しかったよ。たったの五日間だけだったけどさ、俺のこと見つけてくれて出逢ってくれてありがとな」


廉くんの温かい手が優しく頭に触れて、思わず涙が出そうになった。


「私も、…私も廉くんにもう一度会えてよかった」


廉くんは優しく微笑むと、静かに消えていった。

頭にはまだ廉くんの温もりが残っていて、廉くんがこの世界にいたことを証明してくれている。


「…大好き、だったよ」


さようなら、廉くん。

私は廉くんと過ごした二年半と、この五日間を絶対に忘れない。

綺麗じゃなかったけど、この物語はこれからの私を綴っていく大切な物語だから。


午後五時一分。廉くんのいない世界が動き出した。