5日間の恋人ごっこ

「お姉ちゃん、ごめんね」

「それは私のセリフ…っ」


お姉ちゃんをそっと抱きしめながら、私の目からも涙が溢れていることに気づく。

知ってたはずなのに。廉くんの好きな人は、お姉ちゃんだって。

だけど、やっぱり悔しいし悲しい。

実る恋はたった一つだから。どんなに頑張っても実らないことがあるのが、恋だから。


「…ねえ、お姉ちゃん。今、何時?」

「え?えっと…午後四時四十五分」

「私、廉くんにさようならして来ないと。お姉ちゃんを置いて先に行くなんて、って殴りにいって来ないと」


お姉ちゃんはぐしゃぐしゃの顔できょとんと首を傾げると、ふっと優しく吹き出した。


「よくわかんないけど、行ってらっしゃい」

「うん、行ってきます」


これで最後。廉くんと会えるのも話せるのも、最後が私なんて本当にいいのかな…。

なんて、そんなことはもう考えない。廉くんとちゃんとお別れをしないと。

会って、ちゃんと私の気持ちを伝えるんだ。