どこから間違えてしまったのだろう。
なんて、きっとそんなの最初から。
廉くんと出逢ったあの日から–––。
*
「瑠那、起きてる?朝も昼も食べてないんじゃおなか空いてるでしょ?昨日の夜だって食べてないのに…」
部屋のドアの向こうから聞こえてくるお姉ちゃんの声に、起きているけど返事はしない。
昨日はあの後、逃げるように家に帰った。
やっと外に出てきたお姉ちゃんと引き換えに今度は私が引きこもりとなって、今日は学校を休んでしまったのだ。
きっと柚月から心配する連絡がたくさん入っているだろうけど、スマホは電源を切ったまま床に転がっている。
カーテンも閉め切ったまま、今が何時かすらもわからない。
廉くんはもう、あの世に逝ったのかな…。
「瑠那、昨日はごめんね。ううん、昨日だけじゃなくてここ最近ずっと瑠那には迷惑かけてたよね。せっかく全国大会に出場が決まったっていうのに、お祝いも何もしてあげられなくて、瑠那だって廉が死んじゃって悲しくないわけがないよね。それなのに私ばっかり迷惑かけて本当にごめんね」
…いっそのこと、罵倒したり責められたりした方がずっと楽なのに。
お姉ちゃんは何も知らないからこんな私に優しくしてくれるんだ。
記憶喪失になってもう一度現れた廉くんに彼女だと嘘をついたなんて、きっと夢にも思わない。
なんて、きっとそんなの最初から。
廉くんと出逢ったあの日から–––。
*
「瑠那、起きてる?朝も昼も食べてないんじゃおなか空いてるでしょ?昨日の夜だって食べてないのに…」
部屋のドアの向こうから聞こえてくるお姉ちゃんの声に、起きているけど返事はしない。
昨日はあの後、逃げるように家に帰った。
やっと外に出てきたお姉ちゃんと引き換えに今度は私が引きこもりとなって、今日は学校を休んでしまったのだ。
きっと柚月から心配する連絡がたくさん入っているだろうけど、スマホは電源を切ったまま床に転がっている。
カーテンも閉め切ったまま、今が何時かすらもわからない。
廉くんはもう、あの世に逝ったのかな…。
「瑠那、昨日はごめんね。ううん、昨日だけじゃなくてここ最近ずっと瑠那には迷惑かけてたよね。せっかく全国大会に出場が決まったっていうのに、お祝いも何もしてあげられなくて、瑠那だって廉が死んじゃって悲しくないわけがないよね。それなのに私ばっかり迷惑かけて本当にごめんね」
…いっそのこと、罵倒したり責められたりした方がずっと楽なのに。
お姉ちゃんは何も知らないからこんな私に優しくしてくれるんだ。
記憶喪失になってもう一度現れた廉くんに彼女だと嘘をついたなんて、きっと夢にも思わない。



