本当のヒロインはやっぱり強くて、私なんかじゃ最初から敵うはずもなかったんだ。
時間、場所、タイミング。そんなの何一つ関係ない。
二人は最初から出逢って恋に落ちて、綺麗な物語を紡いでいく運命だったんだね–––。
*
「瑠那、今日の放課後なんだけど…」
玄関で靴を履いていると、遠慮がちにお母さんが後ろから話しかけてきた。
「…わかってるよ。今日は、廉くんのお葬式でしょ?お姉ちゃんの代わりに顔出してくるから」
廉くんのお葬式は、身内だけでこぢんまりと行うらしい。
人気者の廉くんのことだから誰でも来ていいとなるときっと大人数が押しかけるに決まっているから、それでよかったのかもしれない。
ただ、お姉ちゃんだけはお葬式にぜひ参加してくれと廉くんのお母さんから言われていたけど、相変わらず引きこもっているため代わりに私が挨拶だけでもいいからとお母さんに頼まれたのだ。
時間的に廉くんがあの公園に来る時間と被ってしまうし、どうしようかと悩んだけどお姉ちゃんに黙って廉くんの恋人のふりをしている罪悪感から、お母さんの頼みを引き受けた。
廉くんには用があって少しだけ行ってくると放課後に言うつもりだ。
「瑠那、あんたちゃんと食べてちゃんと寝てる?」
「…え?」
時間、場所、タイミング。そんなの何一つ関係ない。
二人は最初から出逢って恋に落ちて、綺麗な物語を紡いでいく運命だったんだね–––。
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「瑠那、今日の放課後なんだけど…」
玄関で靴を履いていると、遠慮がちにお母さんが後ろから話しかけてきた。
「…わかってるよ。今日は、廉くんのお葬式でしょ?お姉ちゃんの代わりに顔出してくるから」
廉くんのお葬式は、身内だけでこぢんまりと行うらしい。
人気者の廉くんのことだから誰でも来ていいとなるときっと大人数が押しかけるに決まっているから、それでよかったのかもしれない。
ただ、お姉ちゃんだけはお葬式にぜひ参加してくれと廉くんのお母さんから言われていたけど、相変わらず引きこもっているため代わりに私が挨拶だけでもいいからとお母さんに頼まれたのだ。
時間的に廉くんがあの公園に来る時間と被ってしまうし、どうしようかと悩んだけどお姉ちゃんに黙って廉くんの恋人のふりをしている罪悪感から、お母さんの頼みを引き受けた。
廉くんには用があって少しだけ行ってくると放課後に言うつもりだ。
「瑠那、あんたちゃんと食べてちゃんと寝てる?」
「…え?」



