「ここが廉くんの教室」


中庭や屋上、図書室や食堂など様々なところを案内して最後に廉くんの教室にやってきた。


「ん?なんで瑠那、中入ってこねぇの?」

「あ、えーと…実は私も廉くんの教室には入ったことがなくて…」


教室は、廉くんとお姉ちゃんの思い出がたくさん詰まっている場所のはずだ。

そんな場所に私が踏み入れてもいいのかと、今更ながら罪悪感が込み上がってきた。

彼女だと偽るといった、もっと最低なことを私はやっているというのに…。


「瑠那、おいで」

「え…っ」


ぐいっと廉くんに優しく手を引かれ、一歩中に足を踏み入れる。


「ようこそ、俺の教室へ」

「…ふふっ、何それ」


廉くんもつられたように笑うと、窓際の席に歩いて行った。