勉強だってバスケだって、努力をすれば必ず報われる。結果がついてくる。

だけど恋愛だけは、どんなに努力をしたって報われないことがあるんだ。

最初から決まっている結末を変えたいと思うほど、私は勇敢な人間ではなかったから。

だからこれは、もしかしたら神様がくれたチャンスなんじゃないかとそう思った–––。



瑠那(るな)!」


チームメートに素早くパスされたボールをドリブルしながら、相手チームのディフェンスをくぐり抜けてスリーポイントシュートを決める。

スパッと心地よい音を響かせてシュートが決まると同時に、試合終了のホイッスルが鳴った。


「ナイス、瑠那!」

「さっすがキャプテン!あそこで決めるあたりやっぱり瑠那様よ」

「瑠那ー!」


わっと駆け寄ってきたチームメートにめちゃくちゃにされながらも、満面の笑顔でVサインを突き返す。

今の試合で私たちの高校が二点差で勝利を収めたことにより、予選大会を突破し全国大会に出場することが決まった。


「成績優秀で頼れる女子バスケ部キャプテン!瑠那になら抱かれてもいい!」

「あはは、やめてよもうー」