特命機関夏目リサーチ


 ========== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 =========================
 笠置・・・夏目リサーチ社員。元学者。元経営者。分室リーダー。
 高山・・・夏目リサーチ社員。元木工職人。Web小説ライターでもある。
 榊・・・夏目リサーチ社員。元エンパイヤステーキホテルのレストランのシェフ。元自衛隊員。分室のまかない担当。
 夏目優香・・・夏目リサーチ社長。

 ===============================================
 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

 ※夏目リサーチは、阿倍野元総理が現役時代に設立された会社で、警視庁テロ対策室準備室が出来る前に出来た。スーパーや百貨店の市場調査会社が、「隠密に」テロ組織を調査するのに適していると、副総監が判断し、公安のアシストとしてスタートした。
 夏目リサーチは、民間の市場調査を行うのと併行して、危機的状況を調査する、国家唯一の調査機関である。

 午後10時。浅草、浅草寺裏手のビル。夏目リサーチ社分室。
 榊達が出勤すると、夏目優香がいた。
 高山は、優香がドレス姿なので、嫌な予感がした。
 アルコールが、少し入っていると、羽目が外れるのか、『〇わしてー』とか『〇かしてー』とか口走る。
 酔った上の冗談だし、誰も本気にしない。大人だし。
 優香は、CDとSDを笠置に渡しながら、説明した。
 「去年12月。群馬県関越自動車道の水上インターチェンジで起きた玉突き事故、覚えてる?」
 「確か64台だったか、大規模なもので、死人も2人出たんでしたね、原因は、雪や凍結によって50キロ制限が出ていたにも拘わらず、通常の速度以上で突っ走った若者達の無謀運転だったんですよね。」
 「そう。ドラレコの解析で26人が特定出来たんだけど、1人だけ逃げおおせた。巻き込まれたドライバー達の証言の中で、1枚だけ部分的に顔写真が撮れた。そのドライバーは、その頃、部分的だから役に立たないと思って、そのままだった。ところが、ネットでの警察の再三の呼びかけに、自信はないけどって提供してくれたの。それが、このデータ。ここの復元システムとガチャガチャデータで、手掛かりが掴めないか、と上層部も当てにしだした。」
 「やっと、実力が認められあましたか。認められたのは我々じゃないけど。」
 「くんくん。今夜は素麺の気がする。」
 「くんくんって・・・今夜もお泊まりですよね。」
 「今夜は誰が添い寝してくれるの?」
 「あ。これ、預かってます。『添い寝君』。副社長がアメ横で見付けたそうです。これで我慢しなさい、って。」
 そう言って、高山がバッグから取りだしたのは、少し大きめの犬のクッションだった。
 「はぁい。」

 榊が合図したので、高山と優香は料理を運んだ。
 「今夜は、消化がよく、さっぱりの、変わり種素麺。サバ缶素麺、冷やし中華風素麺、なめろう素麺、素麺ゴーヤチャンプルー。つゆも色々ありますよ。白ワインもいいけど、今夜はロゼで我慢してくださいね、社長。」
 榊の言葉に、ふんぞり返って「許す。」と優香は言った。

 アラームが鳴った。
 「ああ。神奈川のネカフェで出て来たか。この辺だと、やっぱり関内かな?取り敢えず、報告、報告。」と、笠置はデータと報告書ファイルを警視庁に送った。

 「「「「乾杯」」」」
 優香以外は麦茶だ。
 「あ。社長。副社長が、『添い寝君』の感想、メールで送ってくれ、って言ってました。」
 「嫌な、義妹。仲良しだけど。」
 祝宴?は夜半までつづいた。

 ―完―

 ※玉突き事故は、実際の事故ですが、アレンジして執筆しています。
 素麺のレシピは、特に書きませんので、ネット検索をお願いします。
 クライングフリーマン