特命機関夏目リサーチ


 ========== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 =========================
 笠置・・・夏目リサーチ社員。元学者。元経営者。分室リーダー。
 高山・・・夏目リサーチ社員。元木工職人。Web小説ライターでもある。
 榊・・・夏目リサーチ社員。元エンパイヤステーキホテルのレストランのシェフ。元自衛隊員。分室のまかない担当。
 夏目朱美・・・夏目リサーチ副社長。

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 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

 ※夏目リサーチは、阿倍野元総理が現役時代に設立された会社で、警視庁テロ対策室準備室が出来る前に出来た。スーパーや百貨店の市場調査会社が、「隠密に」テロ組織を調査するのに適していると、副総監が判断し、公安のアシストとしてスタートした。
 夏目リサーチは、民間の市場調査を行うのと併行して、危機的状況を調査する、国家唯一の調査機関である。

 午後10時。浅草、浅草寺裏手のビル。夏目リサーチ社分室。
 榊達が出勤すると、副社長の朱美が来ていた。
 「4月30日に福生市で大学生をハンマーで殴打した男を探しているの。偶然居合わせた人がスマホで撮影して、警察で届けてくれたんだけど、例によって、横顔だからよく判らないの。」そう言って、朱美は媚びる目で笠置にCDとSDを渡した。
 「まあ、横顔でも、証拠が残ってて良かったじゃないですか。しかし、酷いなあ。下手したら死ぬのに。」
 「想像力がないんですよ、笠置さん、この手のは。」と、高山は言った。
 「想像力?ああ、後先考えていないってことね。」
 「何か、口論していたって目撃情報はあるけど、被害者は、なんで怒らせたか判らないって言ってる。恐い世の中よね。」

 「あれ?副社長でも、恐い物があるんですかあ?」と、榊が厨房から顔を出して言った。」
 「あるある。榊さんの料理が世界で一番恐い。」
 「それじゃ、落語じゃないですか。」
 「今日は、何?」
 「回鍋肉です。お持ち帰りは、無理かな。おにぎりセットでいいですか?」
 「ああ、恐い恐い。おにぎりセット恐い。」
 「大した役者さなあ、副社長。」と、笠置が笑ったところで、マッチングデータがアラームを鳴らした。

 「千葉県習志野市のネットカフェに出入りしていたか。すぐ判って良かった。データを警視庁に送りますね。」

 笠置がデータをメールで送っている間、朱美は自ら料理を運ぶのを手伝った。
 「もう、サクラも散って行きますねえ。」と、高山は暢気なことを言ったが、朱美には聞こえなかったようだ。ひたすら食べている。

 笠置は、ここに参加して良かったな、と想った。
 こんな会社、他にない。

 ―完―