特命機関夏目リサーチ


 ========== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 =========================
 笠置・・・夏目リサーチ社員。元学者。元経営者。分室リーダー。
 高山・・・夏目リサーチ社員。元木工職人。Web小説ライターでもある。
 榊・・・夏目リサーチ社員。元エンパイヤステーキホテルのレストランのシェフ。元自衛隊員。分室のまかない担当。
 久保田嘉三・・・警視庁管理官。

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 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

 ※夏目リサーチは、阿倍野元総理が現役時代に設立された会社で、警視庁テロ対策室準備室が出来る前に出来た。スーパーや百貨店の市場調査会社が、「隠密に」テロ組織を調査するのに適していると、副総監が判断し、公安のアシストとしてスタートした。
 夏目リサーチは、民間の市場調査を行うのと併行して、危機的状況を調査する、国家唯一の調査機関である。

 午後10時。浅草、浅草寺裏手のビル。夏目リサーチ社分室。
 榊達が出勤すると、珍しく久保田管理官が既に来ていて、笠置にCDとSDを渡した。
 「4月20日。参議院議員会館にナイフを持った男が現れた。男に金属探知機に反応、すぐに現行犯逮捕された。財務大臣に渡す積りだった、と言ったが、その場限りの嘘はバレバレだった。男からと思える脅迫状が、財務大臣田山氏宛に届いていた。大臣はすぐに市橋総理に相談、総理はEITOに相談、大文字君は早乙女隊員と工藤隊員を護衛に付かせていた。ナイフ男が侵入した、その時刻大臣を襲おうとしたオンナが3人いたが、両隊員やSPに取り押さえられた。また、その時間は、EITOが敵と闘っていた時間だ。4人のウチ、男は前科があり、前科者データでヒットした。通称沖益男だ。ここのシステムで沖が接触した筈の黒幕を割り出して欲しい。」
 「管理官。念入りの陽動ですね。」と、高山が尋ねた。
 「ご存じの通り、大文字君は一歩も二歩も先を読む。だから、EITOが勝利した陰で動いた作戦も防いだ。」

 皆で待っている間、榊は料理を並べた。
 「相変わらず適当ですが、ミルクチキンチャウダー、チーズグラタン、じゃがいものシャキシャキ痛め、サイコロステーキ、ロールパン。管理官には、お土産用たまごサンド。」
 「毎度毎度申し訳ない。」

 その時、マッチングデータが出た。
 川崎在住の男だが、渡航中だ。マッチングシステムは、パスポートもビザもデータとして取り込んでいる。
 「空港を張り込もう。中津興信所にも応援を頼もう。」
 そう言って、管理官は、ゆっくりと食べ始めた。
 笠置は、管理官が持ち帰るCDと警視庁にデータを送った。

 誰も何も言わなかった。必要が無かったからだ。

 ―完―