特命機関夏目リサーチ


 ========== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 =========================
 笠置・・・夏目リサーチ社員。元学者。元経営者。分室リーダー。
 高山・・・夏目リサーチ社員。元木工職人。Web小説ライターでもある。
 榊・・・夏目リサーチ社員。元エンパイヤステーキホテルのレストランのシェフ。元自衛隊員。分室のまかない担当。
 新里あやめ・・・警視庁テロ対策室準備室勤務。鬼の取調官として知られている。


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 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

 ※夏目リサーチは、阿倍野元総理が現役時代に設立された会社で、警視庁テロ対策室準備室が出来る前に出来た。スーパーや百貨店の市場調査会社が、「隠密に」テロ組織を調査するのに適していると、副総監が判断し、公安のアシストとしてスタートした。
 夏目リサーチは、民間の市場調査を行うのと併行して、危機的状況を調査する、国家唯一の調査機関である。

 午後10時。浅草、浅草寺裏手のビル。夏目リサーチ社分室。
 笠置が、書類整理を始めていた。髙山も手伝っている。
 榊が、久しぶりに所用で欠勤届が出ている。
 榊は、シェフをしていた頃、大勢の弟子を持っている。
 その愛弟子の一人が急死したのである。
 笠置は敢えて、聞かなかった。関係ないから。
 新里が、CDとSDを持って来て笠置に渡した。
 「複数の住宅に、クルマの中から可燃物を投げて放火して逃亡している犯人の車をバイク用のドラレコ搭載のバイクが撮影した映像があるの。ほんのワンカットだけど、犯人が窓を開けて、投げ込む様子が映っていた。狙われた家は、どれも道路に面している角地。以前は、ゴミを投げ入れるヤカラがいたけど、頭のおかしい奴は、何をしでかすか判らない。で、ここのマッチングシステムなら手掛かりが見つかるかも、と思って。今日、榊さん、お休み?」
 「ええ。」
 新里は、厨房に向かった。
 2人は、クビを竦め、笠置はデータをセットした。

 どうやら、厨房で何かを作っているようだ。
 新里は、「料理出来ない主婦」だと聞いていたが・・・。

 マッチングデータは、すぐにシステムで解析され、45分後には、ネットカフェに出入りする外国人を割り出した。
 それと、新里が料理を運んで来たのと同時だった。
 「おじいちゃん達が、夜中に食べて栄養失調なんて洒落にならないし。丁度、藤井さんに教えて貰ったばかりで、下拵えもしてくれてたから。」

 「おじいちゃんA、頂きまーす。」と言って、笠置は箸をつけた。
 「おじいちゃんB、頂きまーす。」と言って、高山も箸をつけた。
 「「おいしい!!!!!!!」」

 「ありがと。おじいちゃんなんて言って、ごめんなさい。時々ね、藤井さんに教えて貰っているの。主婦になったし。」
 「藤井さん、って大文字さんのマンションの?モールで料理教室開いているとかいう。」と、笠置が、おにぎりと春巻き料理を頬張りながら、言った。
 「ええ。子供も出来たし、いつまでもお嬢様って訳にもいかないし。」
 「成程。もう筒井さんの健康管理もしているんだ。仕事あるけど。」と、笠置は感心した。

 1時間後。新里は帰って行った。
 「光陰矢のごとし、か。」
 「笠置さん、おじいちゃんみたいな台詞でしょ。」
 「おじいちゃんですけど、何か?」
 「春巻きの材料、使ったよ、ってメールしておきましたよ。」
 「忘れてた。流石、私より一歳若いだけある。」
 「それ、褒めてます?」
 「褒めてます。きっぱり!!」
 「きっぱり???」
 2人は住居エリアに向かった。

 ―完―

 ※題材にした、複数の住宅放火犯は、この時点でまだ捕まっていないようです。
 バイク用のドラレコは、市販されています。