========== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 =========================
笠置・・・夏目リサーチ社員。元学者。元経営者。分室リーダー。
高山・・・夏目リサーチ社員。元木工職人。Web小説ライターでもある。
榊・・・夏目リサーチ社員。元エンパイヤステーキホテルのレストランのシェフ。元自衛隊員。分室のまかない担当。
夏目朱美・・・夏目リサーチ副社長。
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==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
※夏目リサーチは、阿倍野元総理が現役時代に設立された会社で、警視庁テロ対策室準備室が出来る前に出来た。スーパーや百貨店の市場調査会社が、「隠密に」テロ組織を調査するのに適していると、副総監が判断し、公安のアシストとしてスタートした。
夏目リサーチは、民間の市場調査を行うのと併行して、危機的状況を調査する、国家唯一の調査機関である。
1月8日。午後10時。浅草、浅草寺裏手のビル。夏目リサーチ社分室。
笠置が、データを確認している。
高山と榊が出勤してきた。
朱美が来ていた。
榊が含み笑いをしたが、朱美は気づかなかった。
笠置は朱美が渡したCDとSDをシステムにセットした。
「去年クリスマスの頃から開催されていた、三つ星デパートの、木下画廊主催の「浮世絵レプリカ展」で、盗難があったの。展覧会が終った次の日、搬送する業者さんが1点足りないことに気が付いたの。」
「副社長。レプリカなんでしょ?本物じゃないなら、どうして?」
そう言う高山に、「テンバイヤーよ。素人には本物かどうか分からないわ。サイズはブリーフケースに入る位。たまたま測量に着ていた人が怪しいと思う女性を撮影したの。横顔が殆どだから、特定しづらい。そこで、依頼があったの。人物の顔を措定して、どこかで身元が判明しないかって。」
25分経った。マッチングデータが出た。
画面には、『北専従はやと、男性。2000年に帰化。財務省勤務。昨年末に退職。』と出ていた。
「副社長。女性だった、って言いませんでした?」と高崎が言い、「ジェンダーか。一頃話題になったな。政府職員のLGBT問題。まだいたんだ。これ、変装とは思えない仕草だよ。」と笠置が言った。
「那珂国人ね、多分。簡単に尻尾を抑えられないでしょうね。」
笠置は、警視庁にデータを送った。
そして、夜食タイムになった。
榊は、テーブルを広げて、ずらりと並べた。
「節分に引っかけて、今日は『巻物』の巻。浮世絵は絵巻物じゃなかったのかな?カッパ巻、梅しそ巻、納豆巻、ガリ巻、おしんこ巻、たまご巻、かんぴょう巻。うめきゅう巻、いか胡瓜巻、いかしそ巻、梅いか巻、鉄火巻、ねぎとろ巻、とろたく巻、えび胡瓜巻、穴子胡瓜巻。太巻。最大限のバリエーション。」
「榊さん、軍艦巻は?」と朱美が言った。
「用意してありますよ、副社長。他のは、お土産にも入れましたが、これは、ここで食して下さいね。」
皆が食べ始めると、榊は言った。
「最初は、関西の海苔組合が始めたそうです。他の地方では、馴染まないと言っていたのに、今では皆当たり前に食べている。『恵方』なんて、『初詣』の神社の方角。星占いや血液型占い」より信憑性がない。福豆より、手っ取り早いんですね。迷信が迷信を産む。かぶりつきの食べ方は、下品云々より誤嚥性肺炎を誘発しますよ。」
「榊さん、イワシは?」と、太巻を頬張りながら、朱美は尋ねた。
「イワシは、焼くときに生じる臭いを鬼が嫌う」という理由から選ばれているようです。 また、焼いたイワシをひいらぎの枝に刺して門戸に飾る「柊鰯(ひいらぎいわし)」は、魔除けとして古く平安時代から続く風習です。まあ、豆まきや数え年の数福豆を食べる習慣の方が長く続いていますね。」
朱美は、お土産に持って帰らず、仮眠室で眠り、朝帰った。
『大らかな独身女性』。笠置は、そう表現していた。
―完―
※事件そのものはフィクションです。
太巻きの由来は、以前書いたので、省略しました。
クライングフリーマン


