特命機関夏目リサーチ


 ========== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 =========================
 笠置・・・夏目リサーチ社員。元学者。元経営者。分室リーダー。
 高山・・・夏目リサーチ社員。元木工職人。Web小説ライターでもある。
 榊・・・夏目リサーチ社員。元エンパイヤステーキホテルのレストランのシェフ。元自衛隊員。分室のまかない担当?
 久保田嘉三・・・警視庁テロ対策課課長。

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 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

 ※夏目リサーチは、阿倍野元総理が現役時代に設立された会社で、警視庁テロ対策室準備室が出来る前に出来た。スーパーや百貨店の市場調査会社が、「隠密に」テロ組織を調査するのに適していると、副総監が判断し、公安のアシストとしてスタートした。
 夏目リサーチは、民間の市場調査を行うのと併行して、危機的状況を調査する、国家唯一の調査機関である。

 午後10時。浅草、浅草寺裏手のビル。夏目リサーチ社分室。
 笠置が、警視庁から送られて来たデータをセットした。
 高山が出勤すると、久保田管理官がいた。
 「先月、練馬区のマンションで20代の若者が体中の刺し傷で死んでいるのを、訪れた同級生が発見した。東大医学部だ。まあ、学部は直接関係あるかどうか分からないが。クローゼットには、ガムテープで目張りがしてあって、脱出しようが無かった。」
 「管理官。素人の私達でも分かる、怨恨の殺人事件ですね。」
 「そうです、高山さん。被疑者は窓から脱出、雨樋伝いに逃げた模様。丁度今話した友人が訪問したので、ドアからは出られ無かった。マンションと言っても、ガイシャが借りていた賃貸の2階が現場でした。生憎、ゲソコンは見つからなかった。ドアからも指紋は出なかった。ただ、同じフロアの住人が、那珂国語で言い争う声を聞いた、と言う。そして、ご存じ闇サイトハンターこと山並が、ネットで「〇〇を絶対殺してやる」という書き込みを見付けた。闇サイトじゃない。被疑者が那珂国人なら理解出来る行動・言動だ。」
 「ああ。『スグニカットナル星人』ですからね。」と、調理しながら榊が言った。
 「何です?」と、久保田は尋ねた。
 「ネットスラングです。那珂国人のこと。熱しやすく冷めにくい。料理なら便利ですけどね。弟子の一人がSNSに強いんです。」
 「成程。で、山並のタレコミによると、渋谷区のネカフェ、インターネットカフェに出入りしている人間が、『殺してやる』情報をSNSで書き込んだ。捜査員を送ろうにも、探す相手がいないとどうにもならない。」
 「そこで、ガチャガチャデータですか。出ましたね。マンションの防犯カメラに映った映像と、ガチャガチャデータで、その日に出入りしている那珂国人の利用客のデータから割り出せました。そして、東大の学生証データとも一致した。名前はソー・コンペイ。ガイシャの仁科淳とも、発見者のトミーひさしとも同級生。ソーは那珂国からの留学生らしい。動機とかは、これからですね。」
 久保田は、プリントされた写真を持って、すぐに退出した。
 インターネットカフェは、夜の方が出入りが多い。
 すぐに逮捕出来るだろう。

 「まだ、正月には早いですけどね。」と、榊が並べたのは鯛料理、そして赤飯だった。
 「早期解決を祈りましょう。」

 深夜。メールが送られて来た。
 久保田が、どこかの警察署から送って来たのだろう。
 文面は、「大げんかの原因は、那珂国の留学生だけ所得税が免除されている問題だった。ベトナム人のトミーには、同じ外国人なのに、そんな恩典がない。仁科が正義感を出して不公平だと言い出した。今、市橋総理が検討している法案にある条約で、仁科の言う通り、不公平極まりない。尚、仁科はバイトすると、所得税を引かれる。『スグニカットナル星人』は、何をしでかすか分からない。」

 メールを笠置達が読むのは明朝になるだろう。どの道、ここの3人には、捜査は関心がない。

 ―完―

 ※今回は、高市内閣が取り組んでいる、留学生所得税「中国人だけ」免除問題。
 前政権、前前政権の「負の遺産」の1つですね。それを題材にしました。
 『スグニカットナル星人』は、私の造語で、ネットスラングではありません。