特命機関夏目リサーチ


 ========== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 =========================
 笠置・・・夏目リサーチ社員。元学者。元経営者。分室リーダー。
 高山・・・夏目リサーチ社員。元木工職人。Web小説ライターでもある。
 榊・・・夏目リサーチ社員。元エンパイヤステーキホテルのレストランのシェフ。元自衛隊員。分室のまかない担当?
 夏目朱美・・・夏目リサーチ副社長。夏目の妹。

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 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

 ※夏目リサーチは、阿倍野元総理が現役時代に設立された会社で、警視庁テロ対策室準備室が出来る前に出来た。スーパーや百貨店の市場調査会社が、「隠密に」テロ組織を調査するのに適していると、副総監が判断し、公安のアシストとしてスタートした。
 夏目リサーチは、民間の市場調査を行うのと併行して、危機的状況を調査する、国家唯一の調査機関である。

 午後10時。浅草、浅草寺裏手のビル。夏目リサーチ社分室。
 笠置が、警視庁から送られて来たデータをセットした。
 「相変わらず、早いですね、笠置さん。今日は電子データですか?」
 「5分前に来ただけだよ。タイムカード見て。これは、指名手配の案件。歯科医の自宅で奥さんと娘が監禁の末、レイプして金品強奪の上で逃亡した案件、覚えてる?」
 「可哀想な歯医者さん。最初、誤認逮捕されたんでしたっけ?」
 「そう、学会に出席していたから、すぐにアリバイ成立。そもそも家族にあんな危害を加える理由がない。誤認逮捕した巡査は、依願退職。本当はクビ。」
 「あ。いけない。これ預かってきたんだ、社長から。」と、高山はCDを出した。
 「もう間に合わないよね。」
 「大丈夫。リスタートするから。人間だったら不平言うね。『何やってんの、高山さんはぁ』って。」
 「今の、副社長の真似?」
 「私、そんな言い方しないわよ。はい、年賀葉書。」そう言って、朱美は高山に年賀葉書を差し出し、高山は精算した。
 「ありがとうございました。大した枚数出さないんですけどねえ。」
 「お礼は良いけど、『濡れ衣』は、どうしてくれるのよ。あ。榊さんがいない。」
 「30分、遅れまーす。さっきメール来てました。」
 「副社長は、そんなきつい言い方しませんよね、失礼しました。」
 その時、マッチングデータが出た。
 「嘘みたい。別人じゃないですか。」と笠置は溜息をついた。
 「ほんとだ。」高山と朱美は顔を見合わせた。

 榊が顔を出し、すぐに作業にとりかかった。
 笠置は報告書を書くので、高山と朱美が手伝った。
 今夜は、『普通の』おでんである。

 分析によると、頭頂部は陥没骨折をカモフラージュしていたらしい。
 「ガチャガチャで発見されたデータでは、ヨコハマのネットカフェに出入りしていたみたいだね。」
 「あれだけ違えば、誰も見向きもしないわ、」
 「いつも買う店が火事でね。お見舞い渡して、他の店で仕入れてきました。あ、副社長が喪中見舞い、世話してくれた花屋の近くです。」
 「今年は、火事が多いそうね。」
 そういうなり、朱美は、食べることに専念した。

 今夜も明るい夜だ。

 ―完―