川口先輩とのデートでは、あんなに楽しみにしていた割には大してドキドキしていない自分に気付き、目の前に川口先輩がいるのになぜか新谷のことばかり考えてしまい、そんな自分に戸惑うばかりだった。
それ以降、川口先輩とは何回かデートに誘ってもらえるようになり、そのことを玲衣奈や紗良に華菜に話すと大喜びしてくれて「良かったねー!付き合うまで時間の問題かも!」と祝福してくれたが、私はなんだか複雑な気持ちでいた。新谷のせいだった。やたらと新谷を目で追ってしまうし、新谷に話しかけられるのを待っている自分がいる。でもそれはきっと一時の気の迷いだと自分で納得し、ただただいつもと同じ変わらない日常を過ごしていた。
あれから一年が過ぎ、クラス替えの日がやってきた。私、玲衣奈、紗良、華菜、新谷、近藤の6人は高校2年生になった。
またこの嫌な緊張感が漂うイベントが始まった。全てが決まる。一年間誰と行動を共にするか、寂しくぼっちで過ごすことになるか否か、クラスメイトのメンツによっては楽しい一年になるかが関わる。今回のクラス替えはそれだけではなかった___。
「今年も同じクラスになれるといいね!」学校に着くと、あちこちで聞こえる同級生・他級生の声。私はよく元気があるとかいつも笑顔だとか言われるが実は人見知りだ。だから友人の誰もいないクラスに所属になってしまったら、友人を新しく作る勇気はないし、ぼっち確定だろう。
「私たちも同じクラスになれるといいね。」玲衣奈が言う。
去年も同じクラスだった紗良や華菜は一昨年はそれほど仲が良いとは言えなかったが、去年でかなり仲良くなって休みの日に一緒にテーマパークに行ったりした。
玲衣奈、紗良、華菜と一緒にクラス替えのプリントが貼ってある掲示板の前に着くと、やはり大勢の同級生たちが群がっていた。今日のために眼鏡を持ってきた私は必死に自分の名前を探す。まずは1組。早速私の名前があった。私の名前の下を辿っていくと、玲衣奈の名前もあった。ほっと肩を撫で下ろす。
「柚桜、同じクラスだったね!良かった!」玲衣奈の声でハッとする。玲衣奈の名前が見つかった後、なぜか私は新谷の名前を探していた。でも一組に新谷の名前はなかった。どうして私は新谷の名前を探してしまっているんだろう。そう思いながらも他のクラスの名簿を見始めた時に玲衣奈に話しかけられた。
「・・あっ、ね!良かったよー!」玲衣奈と喜び合う。
「私たちはクラス離れちゃったねー・・・3組だった。でも華菜とは一緒だ!」と紗良。私と玲衣奈は一組、紗良と華菜は三組になった。紗良と華菜とはテーマパークに行ったをきっかけに仲良くなれた。なのにクラスが離れてしまった。これできっと話すこともなくなってしまうだろう。
そんなことを思いながら一組の教室まで行くと、三組の教室は一組の向かい側にあった。
「向かい側なんだね!クラスは離れちゃったけど、休み時間とかそっちに話に行くね!」と華菜が言った。
「だね。私たちからも三組に行ったりするね!」
そう言い、私と玲衣奈、紗良と華菜は別れた。そして緊張しながら私と玲衣奈が教室に入ろうとすると___。
「木村!」新谷が話しかけてきた。
「おっす!木村一組なんだ?クラス離れちゃったな!」
「うん。新谷は何組?」
「おれ三組!」紗良や華菜と同じクラスだ。
「そっか!・・・」言葉が出てこない。今、私は新谷に話しかけられてものすごく嬉しいと思ってしまった。
それになんだか体が暑い。すごく緊張するのはなんでなんだろう。去年同じクラスであんなにほぼ毎日話していたのに、なんで今更緊張して体まで暑くなるんだろう。
「まあクラスは違くなっちゃったけどさ!たまには話そうぜ!じゃあ!」そう言って新谷はいつもの笑顔を浮かべて三組の教室に入って行った。
一組の教室に戻ってからも、体が暑いのが続き、気持ちが高揚していた。席に着いて玲衣奈が何回も話しかけてきているのに、頭が追いつかなくて全然気づけなかった。
「あっごめん玲衣奈!なに?」
「どうしたの?ぼーとして・・」
「・・・玲衣奈、あとで話がある。」
私はこの日になって、新谷に話しかけられて、初めて気づいた。私は、新谷のことが好きなんだ___。
それ以降、川口先輩とは何回かデートに誘ってもらえるようになり、そのことを玲衣奈や紗良に華菜に話すと大喜びしてくれて「良かったねー!付き合うまで時間の問題かも!」と祝福してくれたが、私はなんだか複雑な気持ちでいた。新谷のせいだった。やたらと新谷を目で追ってしまうし、新谷に話しかけられるのを待っている自分がいる。でもそれはきっと一時の気の迷いだと自分で納得し、ただただいつもと同じ変わらない日常を過ごしていた。
あれから一年が過ぎ、クラス替えの日がやってきた。私、玲衣奈、紗良、華菜、新谷、近藤の6人は高校2年生になった。
またこの嫌な緊張感が漂うイベントが始まった。全てが決まる。一年間誰と行動を共にするか、寂しくぼっちで過ごすことになるか否か、クラスメイトのメンツによっては楽しい一年になるかが関わる。今回のクラス替えはそれだけではなかった___。
「今年も同じクラスになれるといいね!」学校に着くと、あちこちで聞こえる同級生・他級生の声。私はよく元気があるとかいつも笑顔だとか言われるが実は人見知りだ。だから友人の誰もいないクラスに所属になってしまったら、友人を新しく作る勇気はないし、ぼっち確定だろう。
「私たちも同じクラスになれるといいね。」玲衣奈が言う。
去年も同じクラスだった紗良や華菜は一昨年はそれほど仲が良いとは言えなかったが、去年でかなり仲良くなって休みの日に一緒にテーマパークに行ったりした。
玲衣奈、紗良、華菜と一緒にクラス替えのプリントが貼ってある掲示板の前に着くと、やはり大勢の同級生たちが群がっていた。今日のために眼鏡を持ってきた私は必死に自分の名前を探す。まずは1組。早速私の名前があった。私の名前の下を辿っていくと、玲衣奈の名前もあった。ほっと肩を撫で下ろす。
「柚桜、同じクラスだったね!良かった!」玲衣奈の声でハッとする。玲衣奈の名前が見つかった後、なぜか私は新谷の名前を探していた。でも一組に新谷の名前はなかった。どうして私は新谷の名前を探してしまっているんだろう。そう思いながらも他のクラスの名簿を見始めた時に玲衣奈に話しかけられた。
「・・あっ、ね!良かったよー!」玲衣奈と喜び合う。
「私たちはクラス離れちゃったねー・・・3組だった。でも華菜とは一緒だ!」と紗良。私と玲衣奈は一組、紗良と華菜は三組になった。紗良と華菜とはテーマパークに行ったをきっかけに仲良くなれた。なのにクラスが離れてしまった。これできっと話すこともなくなってしまうだろう。
そんなことを思いながら一組の教室まで行くと、三組の教室は一組の向かい側にあった。
「向かい側なんだね!クラスは離れちゃったけど、休み時間とかそっちに話に行くね!」と華菜が言った。
「だね。私たちからも三組に行ったりするね!」
そう言い、私と玲衣奈、紗良と華菜は別れた。そして緊張しながら私と玲衣奈が教室に入ろうとすると___。
「木村!」新谷が話しかけてきた。
「おっす!木村一組なんだ?クラス離れちゃったな!」
「うん。新谷は何組?」
「おれ三組!」紗良や華菜と同じクラスだ。
「そっか!・・・」言葉が出てこない。今、私は新谷に話しかけられてものすごく嬉しいと思ってしまった。
それになんだか体が暑い。すごく緊張するのはなんでなんだろう。去年同じクラスであんなにほぼ毎日話していたのに、なんで今更緊張して体まで暑くなるんだろう。
「まあクラスは違くなっちゃったけどさ!たまには話そうぜ!じゃあ!」そう言って新谷はいつもの笑顔を浮かべて三組の教室に入って行った。
一組の教室に戻ってからも、体が暑いのが続き、気持ちが高揚していた。席に着いて玲衣奈が何回も話しかけてきているのに、頭が追いつかなくて全然気づけなかった。
「あっごめん玲衣奈!なに?」
「どうしたの?ぼーとして・・」
「・・・玲衣奈、あとで話がある。」
私はこの日になって、新谷に話しかけられて、初めて気づいた。私は、新谷のことが好きなんだ___。



