

★せっかく、ふたりきりになれたけど
せっかく公園でふたりきりになれたのに、
友達以上を踏み出せないよ。
5月の公園は、黄緑がキラキラ輝いていて、
木漏れ日の下で見る、君の横顔を脳内でシャッターを切り、
自動保存された気さえする。
緊張のまま、ドキドキを収めることはできないから、
このまま黙ったままの君との時間を、
今はとりあえず、進める。
★君との恋は一方通行
このまま恋を進めるために、
君に話しかけてばかりいる私のことを、
うるさく思わないで。
一方通行の恋だとしても、
今は、君のことをもっと知りたいの。
ねえ、だから、今はそんな身勝手な私のことを
どうか許してください。
★猛暑前の6月、君が告げたこと
もし、時空を超えることができるなら、
君と知り合ったその日に戻ってやり直したい。
猛暑前の6月、
1週間、雨が降り続いたあとの晴れた日。
君とバスを待っている間に交わした、
「もっと話してみてもいいかも」って、
君がポツリと言った日に。
その日に戻れば、
昨日、別れの選択をせずに、
今日も笑い合えるような気がするから。
★君が気が付かなくても
君の優しさがほしいから、
君に優しさをたくさんあげることにした。
そんな私なりの決意に、
君は気がつかなくても、
私はただ、君に優しさをあげたい。
★タイムラグを待てない
ほしい幸せにたどり着くには、
タイムラグがあるらしいけど、
今すぐ、幸せがほしいの。
わがままだってわかっている。
わかっているから、
もっと先にいる自分に、
今すぐ、会ってみたい。
★愛と恋の境目
愛しているのために、
愛されたいに変換し、
今日も君の気持ちの奥ばかり、
考えてしまう。
★君との真夜中は続けられなかった
白い街灯がわずかに照らす住宅街を
君とゆっくり歩いた真夜中。
なんとなく、君と手を繋いだ。
それは初めてのことで、
この夜のまま、
この気持ちは強く続くと思っていた。
今、その夜を思い出しながら、
ひとりきりで、右手を強く握りしめた。
★不安がいつも背後にいるから
追い立てられる日々で、
不安がいつも背後にいるよ。
助けを求められるほど、
もう、なにもかもに余裕がない。
苦しくて、溺れてしまえばって、
頭によぎって、
不安の幻惑だって、
自分に言い聞かせる。
現実逃避をするために、
今日も現在地と程遠い、
最高の未来で豪遊する。
★自分は少数派だって自覚している
自分の正しさは、
多くの人から批判を浴びるものだ。
自分に共鳴するごく少数にさえ、
主張が通ればいいって思うけど、
多数には、負けてしまうよ。
「批判を恐れずに言えば」は、
きっと、君には届かないかもしれない。
だから、批判されないように、
しっかり目だけ見開き、
口をしっかりと閉じる。
★そのままで十分だよ
もっと器用に生きれたらって、
君はいつもそれを口癖にしているけど、
君は今のままで十分、器用だよ。
だって、人の気持ちをこんなに考えられる君は、
相当、器用だと思うから。
★言葉が暴走する
とっさに出す言葉をコントロールできない自分が、
本当に嫌になってしまう。
そのたびに、痛みと、苦しみが反復して、
胸が締め付けられるだけなのに。
★もう、力が抜けないよ
頑張れって言われたって、
これ以上、どう頑張ればいいの?
力を入れ続けないと、生きていけないから、
もう、力の抜き方を忘れてしまったんだ。
だから、「頑張らないで」って、
誰かに今の自分を全否定してほしい。
★十分、恵まれているはずだけど
汚されたまま、成長したんだなって、
たまに自分のことを振り返って被害者っぽくなる。
十分、恵まれて、プレッシャーにも恵まれた、
競争を生き抜くためのたくましさが銀色に磨かれたよ。
そのぶん、優しさを失ったような気がするから、
もう一度、優しかったあの日からやり直したい。
★透明感に青さを足したい
綺麗な心を持っているよね。
なんて、ありがちなことを言いたくなるくらい、
君って、透明感あるよね。
君のそのソーダに一滴の青い着色料をそっと足したい。
★鳴き声が聞こえた
「夢のなかが現実だったらいいのに」って、
夢のなかで君は言った。
ふたりは、堤防に横並びで座っていて、
ピンク色の夕暮れで染まる空をぼんやり眺めていた。
クジラの鳴き声が遠くから聞こえ、
その方に視線を移すと、
空飛ぶクジラが、ゆっくりと泳いでいた。
★夏が終わっても、どうかそのままでいて
夏が終わり、季節が巡っても、
どうか、君はそのままでいて。
君の素直さが、
誰かの黒さに汚されたくないから。
その素直さを、プールの底で輝く、
ネックレスのようにはしたくないから。
★どれくらい、君のことが好きかを例えると
君のことが好きだよ。
躊躇いながら、フラペチーノのクリームを
細長いスプーンで掬う瞬間くらい。
★夜明け前の海で
夜明け前の浜辺をふたりで歩いている。
なにも話さず、ただ手を繋いで歩いている、
この瞬間だけで、十分だよ。
君が立ち止まり、海を指さした。
君の指先がかすかにオレンジを灯した。
★親しみは繕えない
「さよなら」って言うのも、
最後なのかもしれないね。
そんなこと言いながら、
結局、言い慣れた、
「じゃあね」と言って、
君との恋を終わらせた。
★今でも十分幸せだけど
今でも十分幸せだけど、
ふと、君と出会った日に、
戻ってしまいたいなって思った。
グローバルで平均的な価値観や、
AIに侵食された言葉だらけになり、
どんなに世の中が未来に進んでも、
君のことは忘れないよ。
★傷だらけの君へ
傷つけられすぎた君は、怯えて震え続けている。
もう立ち上がれないほど、つらいよね。
そんな君の横にココアを置きながら、
そっと、回復できるように祈りを込めた。
★天使の危うさ
微笑みだけで寂しさをにじませることができるのは、
君の危うさが天使みたいだからだと思うんだ。
君の微笑みが破壊されないように、
今日も君にとって穏やかな日になってほしい。
★雨の日は不自由に締め付けられる
雨が降ると、
いつものように頭痛で締め付けられ、
自分が無力で、雨に溶けてしまえいいのにって思う。
憂鬱な日は、いつものように鎮静剤を飲み、
いつか自由になりたいなって、
ベッドに仰向けになり両手を伸ばす。
★嘘でしか自分を保てない
嘘をつかないと自分を守ることができないくらい、
誤解を生みやすく、ややこしい性格だから、
とっさに嘘をつくたびに、自分が嫌いになる。
それでも、自分が崩れるくらいなら、
きっとこれからも嘘をつき続けるんだろうね。
いつから、素直さを失ってしまったんだろう。
★リセットしたくなる
リセットしたいよ。
いつもすべてをやり直したくなるから。
連絡先をすべて消し、
今までの電話番号を捨て、
誰も私のことを知らない土地に移り住み、
また違う自分としてやり直したくなる。
だけど、それはできないし、
実際にしたら後悔すると思うから、
今は、モヤモヤを抱えたまま、
そんな想像をして、日常をこなし続ける。
★人と比べそうになったら
人と比べがちな性格だから、
できるだけ、人と比べないようにしている。
だけど、頭のなかであまりにもノイズが酷いときは、
バルコニーで日にあたり、
淹れたてのコーヒーを飲みながら、
何度も読み返している文庫を読み返す。
★君に適切な言葉で伝えたいから
相手がほしいときに、
適切に言葉をあげることができる人間になりたかった。
優しさをしっかりと伝えられる人間になりたかった。
君のことをしっかり見ているんだよってことを、
しっかり口に出すことができる人間になりたいから、
どんなことにも動揺せず、
自分の強い気持ちを維持できる人間になりたい。
★かすかに夏を感じる
君のシルバーのネックレスが、
黄色い日差しで輝いている。
5月の終わりは、
5月病の名残で憂鬱がまだ残っているけど、
君と夏の思い出がたくさん作れると思うと、
そわそわするよ。
君が微笑むたびに、かすかに揺れるネックレスが、
やけに目に付くから、
きっと、今日のこの瞬間すら、
思い出になりそうだよ。
これから夏が始まるね。
★大丈夫って言うけど
「大丈夫」だって言う君は、
いつも大丈夫じゃないときにそう言うから、
たまに困ってしまうよ。
そのたびに、休んでって、何度も伝えるけど、
それでも休んでられないんでしょ。
どうか、自分のことを大切にして。
★何もかも、上手くいかない
もう何もかも、上手くいかない。
夏の微温い雨のなかで傘を投げ捨て、
ずぶ濡れになりたいくらい、
もう、自分のことを信じることができないよ。
これ以上、待つことも、
救いを求めることも、
頑張ることも投げ出したくなるから、
ジンジャーエールを飲み、
部屋のなかで雨が上がるのを待つ。
★2年前の文章
日記に書いた2年前に書いた文章を読み返し、
今の自分とは、まったく違うなって、
少しだけ感傷に浸る。
それでも、着実に前に進んでいる、
自分のことを褒めてもいいかもね。
★自暴自棄にも慣れた
自暴自棄に毎晩、襲われることにも、
もう、慣れてしまったよ。
それが強さだとすると、
きっと、なにかが崩壊する前触れのように思うから、
とりあえず、明日は、嘘をついて休むことにしよう。
そして、1日中寝込んで、
また、自分に期待を込めよう。
★すれ違うメッセージ
君とすれ違った日々は、つらかったよ。
すれ違ったメッセージは一日ごとの返信で、
お互いに疲れてしまっているよね。
だから、今、
君からの通話で
「ごめんね」って謝られて、
連絡を急かした自分が嫌になった。
君だって、今、忙しいんだよね。
ごめんね。
★つよがらなくていいよ
つよがらなくていいよ。
だって、君は誰よりも繊細なんだから。
強さの裏に弱さを秘めている君のことを、
そっと、守りたい。
★降り続ける雨
雨で濡れた街は、
灰色のなかでキラキラとしている。
そんな雨の街を3階のカフェから見下ろしている。
コーヒーは冷めかけても、
雨が上がる気配がないから、
TSUTAYAで買った本を、
もう少しだけ読み進めることにした。
★すれ違った言葉は、平等さを失う
追いかけてなんて、ほしくないよ。
一方的な言葉はすれ違いを生むだけだから。
あなたの嘘を咎めるつもりなんて、
さらさらないけど、
私はただ、イーブンな関係を君と保ちたかっただけだから。
★君の青いワンピース姿は最強だね
青いワンピース姿の君をiPhoneに収めると、
君は微笑んだまま、こちらに駆け寄ってきた。
その駆け寄る瞬間すら、強く保存したくなったけど、
あっという間に君は僕から、iPhoneを取ったから、
すべてを許すことにした。
★史上最高の潤しを君に
一瞬だけ輝いた恋や、
瞬間的に優しい衝撃を受けた恋や、
守ることができなかった、
有効期限永遠の約束も、
すべては夜明け前だったんだよ。
潤いはいつか清らかに蒸発していくけど、
君は君のままでいてくれと強く願う。
さあ、人生の新しいページを麗してくれ。
★別れを経験し、いつか今から離れる
離れ離れになり、
ふたりは初めて別れを経験し、
その経験もいつしか、忘れ去られ、
まだ知り合ってもいない誰かと手を繋ぐだろう。
今は君の記憶ばかりだけど、
いつか、君の記憶が離陸して、
君のことを忘れる日が来たら、
ふと君が言った言葉の意味を知ることができたらいいな。
★青いくらいの恋をください
青さが残ったっていいよ。
今さえ楽しければ、それで十分でしょ?
だから、大好きって、言ってよ。
それだけで満たされるから。
★否定を無意味にする方法
何十の否定されたことを、
ガラスのジュエリーケースのなかに入れてしまいましょう。
何重の意味も、
ミルクのミルフィーユのなかに織り込んでしまえば、
それらは、なにも意味がなくなる甘さになってしまいますから。
★我慢しないで
今だけは泣いてもいいよ。
君はそれだけのことをされたんだから。
正当な涙は流すべきだと思うんだ。
その涙を我慢してしまったら、
きっと、君は君でいられなくなるから。
★退屈な日々は赤い飴細工
退屈な日々は、
赤い飴細工をゆっくり伸ばしたようなものだから、
固まった単純を柔軟に柔軟にと、
呪文を唱えて我慢しているんだよ。
退屈を受け入れることが大人になるということなら、
劇的な恋をして、誰かに愛し、愛されたいよね。
光の先に手を伸ばしたままでも、
歩いていかなければ、
光にはたどり着くことはできないから、
今、しっかりと歩みを進めている君はすごいよ。
★静かにときめきは始まっていく
静かにときめきは始まっていくよ。
目と目が合い、微笑まれたから、
思わず、微笑み返してしまったよ。
親しみは自然に始まり、
話し始めると繕わない自分になれていて、
まるで、前にもこうしていたみたいだね。
出会ったばかりの君に、
新鮮な信頼感を委ねて、
君のことをもっと知りたい。
★散々さ
もう、散々で限界の日々で、
ベッドから起き上がりたくもない朝が、
世界に順応するように急かす。
それでも憂鬱は膨大で、
いつまで囚われるんだろうって、
考える余裕すらなく、
気がつくと今日も同じアルミ色の電車に乗り、
今日を始めていた。
★散々を終わらせた
諦めてしまいたいくらいだけど、
今日はよく頑張ったほうだと思う。
だから、スタバに入り、
フラペチーノの甘さで正気を戻してあげることにした。
窓越しに見える街の空を、
ペンギンの群れが空を飛んでいたらいいなとか、
昔から変わらない空想癖が戻ってきた。
だから、まだ、やれる気がした。
★君に近づきたい
君に恋してしまいました。
君の気持ちを見ることができる暗証番号を教えて下さい。
★今日も一日、ありがとう
解いたヘアバンドをテーブルに置くと、
メビウスの輪になった。
一気に宇宙に近づけそうな日常にくすりと笑いながら、
コーヒー牛乳を一口飲むと、
今日の疲れなんて、本当にどうでもよくなった。
★47分発待ちのいつものホーム
朝のホームは朝霧のなかで冷たかった。
夏の肌寒さは珍しくて、それすら新鮮に思えるね。
いつも、私の心が満たされないのは、
いつも、それなりにストレスと、
不満を胸に抱え込んだままだからなのはわかっているよ。
ただね、私は臆病な性格だから、
誰にもそれらを言うこともできないし、
それを言える適切な人なんていないんだよ。
だから、私は私の心を封じたまま、
今日も47分発の電車を待ち続ける。
★幼いふたりの恋は幻だった
ふと、忘れていた君のことを思い出した。
まだお互いに幼かったふたりは、
教室で夢中になにかを語り合っていた。
そのなにかは、もう忘れてしまったけど、
その時間は楽しかったことだけは、
覚えているよ。
恋を伸ばす方法も知らなかったふたりは、
秒針が何万回も刻むうちに、
関係性は自然消滅してしまった。
君の居場所なんて、もうわからないし、
君が今、どこで何をしているのかもわからない。
ただ、あのとき、親しんだ君が、
今日もどこかで元気でいたらいいな。
★メッセージを待っているうちに
さっき観た古い恋愛映画の余韻が甘く残ったままだよ。
チョコレートを溶かして、ハートを型取り大量生産するように、
恋が簡単にうまくいけばいいのにって、
ふと、そんな空想をしてしまうくらいに。
映画を観る前、
思い切って君に送ったメッセージは、
まだ一方通行のままで、
やっぱり、片思いのままなのかなって、
落ち込んでいるけど、淡く期待は持ったままでいたい。
だって、君のこと、もっと知りたいから。
★恋を深める星屑
ねえ、砂浜に落ちた星の欠片を一緒に集めよう。
こうすることで私たちの恋が深まると思うんだ。
星の欠片をガラスのボールに入れて、
黄色のキラキラにレモンと、ソーダを入れて、
一緒にレモンソーダにしよう。
そして、笑い合いながら、
グミなんかも入れちゃって、
ふたりだけの楽しい時間にしようね。
★君に光を
君に光をあげよう。
希望とか、好きとか、素敵とか、
ありがちな光を詰め込んで、
君にあげるね。
★君の涙が消えるように、そっと願う
コーヒーをクリープに入れ、
白い渦を作るように、
願いを込める。
今の君の涙も、
苦しさの底に混ざりきって、
君の優しさが戻りますように。
★雨の日にようやく君の話を聞く
雨の日の昼間のカフェはガヤガヤとしていて、
君のかすれた声がかき消されそうなくらいだった。
周りに振り回されて、
疲れ切った君はすっと、ため息をついた。
君の一通りのことをもっと早く聞くべきだったと、
後悔しながら、僕はカフェオレを一口飲んだ。
ごめんね、気がついてあげられなくて。
★そのとき、なにも言えなかった
夕方のチャイムはオレンジ色と一緒に溶けてしまいそうだね。
高台の公園のベンチにふたりで座り、
なにもない寂れた港町をぼんやりと眺めている。
「もう、何もかも疲れた」って、
君がポツリと言ったあとにチャイムは鳴り終わった。
海は今日もキラキラしていて、
君になんて返せばいいのか、
言葉が見つからず、ただ、そのキラキラを眺め続けた。
「なんてね」と言って、君は笑みを浮かべた。
★君とはまだ友達以上
コンクリートの非常階段が、
ふたりだけの秘密の場所になっていて、
今日も、階段に腰掛けて、
夏が始まったばかりの見慣れた街をぼんやり眺めている。
君はクラスで浮いているらしいし、
だったら似た者同士だねって、
笑いあったのは、ここ最近のことだった。
そんな君のことを友達以上に思い始めているけど、
それ以上になれるかなんて、まだわからない。
君がどう思っているかなんてわからないから、
今は、現状維持をして、
コンクリートの冷たさをしっかり感じていたい。
★冥王星調査旅団
冥王星調査旅団が着陸したニュース速報を見て、
僕と彼女はなぜかわからないけど、
お互いに笑いあった。
有人飛行とか、そんなものはどうでもいい。
そんなことより、彼女の笑顔を、僕はただ、守りたい。
★センチメンタルを止めないで
ねえ、センチメンタルを止めないで。
大切にしているテディベアに新しい赤いリボンを与えるように。
永遠の孤独なんて存在しないように、
今日も泣いて、夜明けを迎えよう。
寂しさの破片は、
まだ胸の奥に刺さったままだよ。
★退屈な日常は雨も悲しみも待ってくれない
今日も雨の匂いで満ちている。
ビニール傘が湿った世界を切り裂いているみたいだね。
胸いっぱいだった悲しみが、
より悲しみで満ちないように、
路肩に生えている濡れた緑を見ながら、
今日も地下鉄の駅まで向かう。
★自分ばかり見すぎてた
ごめんね。
今はもう、自分のことで精一杯なんだ。
だからね。
君のことを見ていない自覚がなかったんだよ。
それでも、なにも考えずに言った言葉で、
君のこと、傷つけて、ごめんね。
★パズル
思い出で涙が止まらなくなるくらい、
君と積み重ねた日常は、
白いフローリングいっぱいに、
つなぎ合わせたジグソーパズルみたいだったよ。
未完成で欠けた世界は、
もう二度と、再現することはできないね。
★クロワッサンを食べながら
朝のガラガラのカフェで、
サクサクのクロワッサンを食べながら、
昨日の出来事が断片的に頭のなかで再生される。
今はどうなるかなんてわからないけど、
思い切って、前さえ向いていれば、
どんな結果も受け入れられるような気がする。
★順応できない
人の決めつけにいつも敏感で、
また社会に順応できないやって、
そのたびにいつも、なにかを諦めてしまうよ。
言葉やちょっとした表情に敏感になり、
家に帰って、やるせなさでぐったりする。
自分はもう、
普通を生きることが難しいから、
簡単さを手に入れるために、
なんとか今の状況を乗り越えてやる。
★水素のなかで溺れる
100%の水素のなかで、
嘘をついて溺れるくらい、
君は社会で生きるのが苦手なんだね。
★冷夏で、すべてが霞む
今年は冷夏で長袖を着たまま、
霧のなかの高原で別れ話をするなんて、
むしろロマンチックじゃない?
君の表情も曇れば、
緑も、白も、草の匂いや、冷たい湿度も、
印象的すぎて、君がいつもつけている
ピアスの輝きも、すべてが霞むね。
★貴重な楽しい時間は溶けてしまったね
貴重な楽しい時間も、
メリーゴーランドの電球色のなかに、
いっきに溶けてしまったね。
閉園前の最後に、
電球色の中の君をiPhoneで収めることができて、
嬉しいよ。
★通り雨のあとの散歩
通り雨で濡れた木々の下を
君と手を繋ぎながら、
ただ、ゆっくりと歩いている。
午後の日差しの白で、
キラキラしている葉を見ているだけで、
どうしてかわからないけど、泣きたくなるよ。
君が隣にいるのに、
感傷的になるなんて、変だよね。
★いくつも重ねて
果てしなかったはずの思い出も、
いつの間にか、淡い輝きになっていたね。
ジュエリーケースのなかで眠る、
思い出と一緒に忘れたピアスみたいに、
君との恋は未だに保存されたままだよ。
★自由だから
ギターでありがちなコードを抑えて、
適当に歌詞をつけて歌い続けている。
思いついた言葉をそのまま歌えばいいんだ。
だって、自由だから。
★このまま飛び越えたい
このまま飛び越えていきたい。
今の憂鬱や、苦しさは、
いつか終わって笑えるはずだから。
それがわかっていても待てないから、
とりあえず、さっき帰り道で買った、
100円のシュークリームを一口食べた。
★叶わない無数の約束
夢の中で、幼なかったふたりが、
意味が伝わらない無数の約束を交わし続けていた。
君も、私も、幼かった。
目覚めて、涙を拭う。
きっと、素直なときのまま、
もう会うことなんてあり得ない君と、
楽しさを紡げたら、
もっと、私の今は、楽しかったかもね。
★赤いスカートの裾をはためかすように
赤いスカートの裾を右手ではためかすように、
どんなことも笑顔でいる、タフでキュートな力を蓄え続けたい。
★できないことは明確だけど
できないことばかりで、
たまに自分のことが嫌になるけど、
簡単に助けを求められるようになった自分は、
昔の自分から見て、すごいことだと思う。
★記録なんて大したことなかった
瞬間を忘れないように、
日記を書き始めて、
もう、10年くらい経った。
それらを今、見返すと、
自分が幼すぎて、
青くて、小さなことで悩んでいたんだって、
可愛く思えた。
それらに「さよなら」を告げて、
そっとゴミ袋の中に入れた。
★崩れそうだから
崩れそうなくらい、
ここ最近、絶不調で、
もう諦めてしまいたい。
自分を信じる力が今、足りないから、
LEDライトが心細い、夜の住宅街を散歩する。
★まじないをつぶやく
どうにでもなれって、
まじないみたいにつぶやいて、
どうせなら、ぼんやりしようって、
またまじないをかけた。
★都市の孤独が追い詰める
虚しさと都市の孤独で、
追い詰められているような気がする。
ここ最近負った失恋の傷は癒えないし、
何もかも上手く行かないから、
そろそろ、都会から離れる時期かもって、
無性に嫌いな地元に帰りたくなった。
★なにがいけないんだろう
なにも変えることができずに、
自問自答ばかりして、
結局、朝を迎えてしまった。
モヤモヤしたままで、
眠さはやってこないから、
結局、コーヒーメーカーのスイッチを押した。
★まだ、頑張ってみるよ
好き勝手やってきたけれど、
気持ちは一向に満たされないんだよ。
わかってるつもりだよ。
だけど、自分の限界を越えたいんだ。
諦めずに。
★先を行く君へ
精神年齢が低いのかもって、いつも思ってるよ。
だけど、君と対等な関係になりたいから、
もう少しだけ、大人になるまで待ってて。
★季節が巡っても
夏の始まりの匂いで胸が痛いよ。
微温い風に乗って、季節は巡っていくけど、
自分はまだ変わることができなくて、
自分でもそれがもどかしいよ。
もし、正当な強さを持っていたら、
きっと、上手く大人になれたんだろうね。
★寂しいよ
ねえ、寂しいよ。
君のいない日常をどうやって彩ればいいの?
★微笑みをポケットに
ポケットいっぱいに君の言葉を詰め込んで、
どうか、愛をたくさん満たしてください。
ただ、今の私は、
君の微笑みを見続けるだけで十分だから。
★私を私のことを知らない場所へ連れて行って
たまに人間関係にうんざりしちゃって、
リセットしたくなっちゃうよ。
誰も私のことを知らない、
新しい場所と人で、
いつも自分を偽らずに楽しめる世界に行きたいって、
別に問題ない日常なのに、いつも思っちゃうんだ。
自分でもわかってるよ。
甘いよね、考え方が。
★君の安心感は脆かった
君との恋は、
保健室の消毒の匂いみたいに、
印象的で安心と不安がある恋だったね。
だから、君が別の人を選んでも、
なにも不思議には思わなかったよ。
ただ、君のコアをもっと知りたいと思っただけの恋だから。
★月明かりの下、君に告げる
このまま、ずっと月明かりの下を歩いていたいな。
だって、なんでかわからないけど、
こうして君と歩いているだけで、
安心できるんだ。
★たまに無性に悲しくなる
今は、ゆったりとしたバラードを聴きたいよ。
なにがあったわけでもないけど、
たまになにかが心のなかで限界になって、
無性に悲しくなってしまうんだ。
だけど、心配しないでいいよ。
それはね、たまに起きる自浄作用みたいなものだから。
★もう刺激はいらない
もう、SNSとか、最先端とか、
刺激的なことを取り入れたくないよ。
いい情報よりも、比較ばかりで、
疲れてしまったんだ。
いやな言葉や、いやな情報なんかより、
自分のなかにあるキラキラを見つめ続けることにしたから。
★センチメンタルな君に告げる
君の切なさをしっかりと繋ぎ合わせて、
センチメンタルな甘さにしてあげる。
それで君が笑顔になれば、
それは最高なことだから。



