★せっかく、ふたりきりになれたけど


 せっかく公園でふたりきりになれたのに、
 友達以上を踏み出せないよ。

 5月の公園は、黄緑がキラキラ輝いていて、
 木漏れ日の下で見る、君の横顔を脳内でシャッターを切り、
 自動保存された気さえする。

 緊張のまま、ドキドキを収めることはできないから、
 このまま黙ったままの君との時間を、
 今はとりあえず、進める。




★君との恋は一方通行


 このまま恋を進めるために、
 君に話しかけてばかりいる私のことを、
 うるさく思わないで。

 一方通行の恋だとしても、
 今は、君のことをもっと知りたいの。
 ねえ、だから、今はそんな身勝手な私のことを
 どうか許してください。




★猛暑前の6月、君が告げたこと


 もし、時空を超えることができるなら、
 君と知り合ったその日に戻ってやり直したい。
 
 猛暑前の6月、
 1週間、雨が降り続いたあとの晴れた日。

 君とバスを待っている間に交わした、
 「もっと話してみてもいいかも」って、
 君がポツリと言った日に。

 その日に戻れば、
 昨日、別れの選択をせずに、
 今日も笑い合えるような気がするから。




★君が気が付かなくても


 君の優しさがほしいから、
 君に優しさをたくさんあげることにした。

 そんな私なりの決意に、
 君は気がつかなくても、
 私はただ、君に優しさをあげたい。




★タイムラグを待てない


 ほしい幸せにたどり着くには、
 タイムラグがあるらしいけど、
 今すぐ、幸せがほしいの。

 わがままだってわかっている。
 わかっているから、
 もっと先にいる自分に、
 今すぐ、会ってみたい。



★愛と恋の境目


 愛しているのために、
 愛されたいに変換し、
 今日も君の気持ちの奥ばかり、
 考えてしまう。




★君との真夜中は続けられなかった

 
 白い街灯がわずかに照らす住宅街を
 君とゆっくり歩いた真夜中。
 なんとなく、君と手を繋いだ。

 それは初めてのことで、
 この夜のまま、
 この気持ちは強く続くと思っていた。

 今、その夜を思い出しながら、
 ひとりきりで、右手を強く握りしめた。




★不安がいつも背後にいるから


 追い立てられる日々で、
 不安がいつも背後にいるよ。

 助けを求められるほど、
 もう、なにもかもに余裕がない。

 苦しくて、溺れてしまえばって、
 頭によぎって、
 不安の幻惑だって、
 自分に言い聞かせる。
 
 現実逃避をするために、
 今日も現在地と程遠い、
 最高の未来で豪遊する。



★自分は少数派だって自覚している


 自分の正しさは、
 多くの人から批判を浴びるものだ。
 
 自分に共鳴するごく少数にさえ、
 主張が通ればいいって思うけど、
 多数には、負けてしまうよ。

 「批判を恐れずに言えば」は、
 きっと、君には届かないかもしれない。
 だから、批判されないように、
 しっかり目だけ見開き、
 口をしっかりと閉じる。




★そのままで十分だよ

 
 もっと器用に生きれたらって、
 君はいつもそれを口癖にしているけど、
 君は今のままで十分、器用だよ。
 だって、人の気持ちをこんなに考えられる君は、
 相当、器用だと思うから。




★言葉が暴走する


 とっさに出す言葉をコントロールできない自分が、
 本当に嫌になってしまう。
 そのたびに、痛みと、苦しみが反復して、
 胸が締め付けられるだけなのに。




★もう、力が抜けないよ

 
 頑張れって言われたって、
 これ以上、どう頑張ればいいの?

 力を入れ続けないと、生きていけないから、
 もう、力の抜き方を忘れてしまったんだ。

 だから、「頑張らないで」って、
 誰かに今の自分を全否定してほしい。

 



★十分、恵まれているはずだけど


 汚されたまま、成長したんだなって、
 たまに自分のことを振り返って被害者っぽくなる。

 十分、恵まれて、プレッシャーにも恵まれた、
 競争を生き抜くためのたくましさが銀色に磨かれたよ。

 そのぶん、優しさを失ったような気がするから、
 もう一度、優しかったあの日からやり直したい。




★透明感に青さを足したい


 綺麗な心を持っているよね。
 なんて、ありがちなことを言いたくなるくらい、
 君って、透明感あるよね。

 君のそのソーダに一滴の青い着色料をそっと足したい。




★鳴き声が聞こえた


 「夢のなかが現実だったらいいのに」って、
 夢のなかで君は言った。

 ふたりは、堤防に横並びで座っていて、
 ピンク色の夕暮れで染まる空をぼんやり眺めていた。
 クジラの鳴き声が遠くから聞こえ、
 その方に視線を移すと、
 空飛ぶクジラが、ゆっくりと泳いでいた。
 



★夏が終わっても、どうかそのままでいて


 夏が終わり、季節が巡っても、
 どうか、君はそのままでいて。
 君の素直さが、
 誰かの黒さに汚されたくないから。
 その素直さを、プールの底で輝く、
 ネックレスのようにはしたくないから。
 



★どれくらい、君のことが好きかを例えると


 君のことが好きだよ。
 躊躇いながら、フラペチーノのクリームを
 細長いスプーンで掬う瞬間くらい。




★夜明け前の海で


 夜明け前の浜辺をふたりで歩いている。
 なにも話さず、ただ手を繋いで歩いている、
 この瞬間だけで、十分だよ。

 君が立ち止まり、海を指さした。
 君の指先がかすかにオレンジを灯した。




★親しみは繕えない


 「さよなら」って言うのも、
 最後なのかもしれないね。

 そんなこと言いながら、
 結局、言い慣れた、
 「じゃあね」と言って、
 君との恋を終わらせた。



★今でも十分幸せだけど


 今でも十分幸せだけど、
 ふと、君と出会った日に、
 戻ってしまいたいなって思った。

 グローバルで平均的な価値観や、
 AIに侵食された言葉だらけになり、
 どんなに世の中が未来に進んでも、
 君のことは忘れないよ。



★傷だらけの君へ


 傷つけられすぎた君は、怯えて震え続けている。
 もう立ち上がれないほど、つらいよね。
 そんな君の横にココアを置きながら、
 そっと、回復できるように祈りを込めた。
 


★天使の危うさ


 微笑みだけで寂しさをにじませることができるのは、
 君の危うさが天使みたいだからだと思うんだ。

 君の微笑みが破壊されないように、
 今日も君にとって穏やかな日になってほしい。




★雨の日は不自由に締め付けられる


 雨が降ると、
 いつものように頭痛で締め付けられ、
 自分が無力で、雨に溶けてしまえいいのにって思う。

 憂鬱な日は、いつものように鎮静剤を飲み、
 いつか自由になりたいなって、
 ベッドに仰向けになり両手を伸ばす。



★嘘でしか自分を保てない


 嘘をつかないと自分を守ることができないくらい、
 誤解を生みやすく、ややこしい性格だから、
 とっさに嘘をつくたびに、自分が嫌いになる。

 それでも、自分が崩れるくらいなら、
 きっとこれからも嘘をつき続けるんだろうね。
 いつから、素直さを失ってしまったんだろう。




★リセットしたくなる


 リセットしたいよ。
 いつもすべてをやり直したくなるから。
 連絡先をすべて消し、
 今までの電話番号を捨て、
 誰も私のことを知らない土地に移り住み、
 また違う自分としてやり直したくなる。

 だけど、それはできないし、
 実際にしたら後悔すると思うから、
 今は、モヤモヤを抱えたまま、
 そんな想像をして、日常をこなし続ける。
 



★人と比べそうになったら


 人と比べがちな性格だから、
 できるだけ、人と比べないようにしている。
 だけど、頭のなかであまりにもノイズが酷いときは、
 バルコニーで日にあたり、
 淹れたてのコーヒーを飲みながら、
 何度も読み返している文庫を読み返す。
 



★君に適切な言葉で伝えたいから


 相手がほしいときに、
 適切に言葉をあげることができる人間になりたかった。
 優しさをしっかりと伝えられる人間になりたかった。
 
 君のことをしっかり見ているんだよってことを、
 しっかり口に出すことができる人間になりたいから、
 どんなことにも動揺せず、
 自分の強い気持ちを維持できる人間になりたい。




★かすかに夏を感じる


 君のシルバーのネックレスが、
 黄色い日差しで輝いている。

 5月の終わりは、
 5月病の名残で憂鬱がまだ残っているけど、
 君と夏の思い出がたくさん作れると思うと、
 そわそわするよ。

 君が微笑むたびに、かすかに揺れるネックレスが、
 やけに目に付くから、
 きっと、今日のこの瞬間すら、
 思い出になりそうだよ。

 これから夏が始まるね。



★大丈夫って言うけど

 
 「大丈夫」だって言う君は、
 いつも大丈夫じゃないときにそう言うから、
 たまに困ってしまうよ。

 そのたびに、休んでって、何度も伝えるけど、
 それでも休んでられないんでしょ。
 どうか、自分のことを大切にして。




★何もかも、上手くいかない


 もう何もかも、上手くいかない。
 夏の微温い雨のなかで傘を投げ捨て、
 ずぶ濡れになりたいくらい、
 もう、自分のことを信じることができないよ。

 これ以上、待つことも、
 救いを求めることも、
 頑張ることも投げ出したくなるから、
 ジンジャーエールを飲み、
 部屋のなかで雨が上がるのを待つ。




★2年前の文章


 日記に書いた2年前に書いた文章を読み返し、
 今の自分とは、まったく違うなって、
 少しだけ感傷に浸る。

 それでも、着実に前に進んでいる、
 自分のことを褒めてもいいかもね。




★自暴自棄にも慣れた


 自暴自棄に毎晩、襲われることにも、
 もう、慣れてしまったよ。

 それが強さだとすると、
 きっと、なにかが崩壊する前触れのように思うから、
 とりあえず、明日は、嘘をついて休むことにしよう。
 
 そして、1日中寝込んで、
 また、自分に期待を込めよう。




★すれ違うメッセージ

 
 君とすれ違った日々は、つらかったよ。
 すれ違ったメッセージは一日ごとの返信で、
 お互いに疲れてしまっているよね。
 
 だから、今、
 君からの通話で
 「ごめんね」って謝られて、
 連絡を急かした自分が嫌になった。

 君だって、今、忙しいんだよね。
 ごめんね。




★つよがらなくていいよ


 つよがらなくていいよ。
 だって、君は誰よりも繊細なんだから。
 強さの裏に弱さを秘めている君のことを、
 そっと、守りたい。

 


★降り続ける雨


 雨で濡れた街は、
 灰色のなかでキラキラとしている。
 そんな雨の街を3階のカフェから見下ろしている。

 コーヒーは冷めかけても、
 雨が上がる気配がないから、
 TSUTAYAで買った本を、
 もう少しだけ読み進めることにした。




★すれ違った言葉は、平等さを失う


 追いかけてなんて、ほしくないよ。
 一方的な言葉はすれ違いを生むだけだから。
 あなたの嘘を咎めるつもりなんて、
 さらさらないけど、
 私はただ、イーブンな関係を君と保ちたかっただけだから。




★君の青いワンピース姿は最強だね


 青いワンピース姿の君をiPhoneに収めると、
 君は微笑んだまま、こちらに駆け寄ってきた。
 その駆け寄る瞬間すら、強く保存したくなったけど、
 あっという間に君は僕から、iPhoneを取ったから、
 すべてを許すことにした。




★史上最高の潤しを君に


 一瞬だけ輝いた恋や、
 瞬間的に優しい衝撃を受けた恋や、
 守ることができなかった、
 有効期限永遠の約束も、
 すべては夜明け前だったんだよ。
 
 潤いはいつか清らかに蒸発していくけど、
 君は君のままでいてくれと強く願う。
 さあ、人生の新しいページを麗してくれ。





★別れを経験し、いつか今から離れる


 離れ離れになり、
 ふたりは初めて別れを経験し、
 その経験もいつしか、忘れ去られ、
 まだ知り合ってもいない誰かと手を繋ぐだろう。

 今は君の記憶ばかりだけど、
 いつか、君の記憶が離陸して、
 君のことを忘れる日が来たら、
 ふと君が言った言葉の意味を知ることができたらいいな。




★青いくらいの恋をください


 青さが残ったっていいよ。
 今さえ楽しければ、それで十分でしょ?

 だから、大好きって、言ってよ。
 それだけで満たされるから。 
 



★否定を無意味にする方法


 何十の否定されたことを、
 ガラスのジュエリーケースのなかに入れてしまいましょう。

 何重の意味も、
 ミルクのミルフィーユのなかに織り込んでしまえば、
 それらは、なにも意味がなくなる甘さになってしまいますから。




★我慢しないで


 今だけは泣いてもいいよ。
 君はそれだけのことをされたんだから。
 正当な涙は流すべきだと思うんだ。
 その涙を我慢してしまったら、
 きっと、君は君でいられなくなるから。




★退屈な日々は赤い飴細工


 退屈な日々は、
 赤い飴細工をゆっくり伸ばしたようなものだから、
 固まった単純を柔軟に柔軟にと、
 呪文を唱えて我慢しているんだよ。

 退屈を受け入れることが大人になるということなら、
 劇的な恋をして、誰かに愛し、愛されたいよね。
 
 光の先に手を伸ばしたままでも、
 歩いていかなければ、
 光にはたどり着くことはできないから、
 今、しっかりと歩みを進めている君はすごいよ。




★静かにときめきは始まっていく


 静かにときめきは始まっていくよ。
 目と目が合い、微笑まれたから、
 思わず、微笑み返してしまったよ。
 親しみは自然に始まり、
 話し始めると繕わない自分になれていて、
 まるで、前にもこうしていたみたいだね。

 出会ったばかりの君に、
 新鮮な信頼感を委ねて、
 君のことをもっと知りたい。 




★散々さ


 もう、散々で限界の日々で、
 ベッドから起き上がりたくもない朝が、
 世界に順応するように急かす。
 
 それでも憂鬱は膨大で、
 いつまで囚われるんだろうって、
 考える余裕すらなく、
 気がつくと今日も同じアルミ色の電車に乗り、
 今日を始めていた。

 


★散々を終わらせた


 諦めてしまいたいくらいだけど、
 今日はよく頑張ったほうだと思う。

 だから、スタバに入り、
 フラペチーノの甘さで正気を戻してあげることにした。

 窓越しに見える街の空を、
 ペンギンの群れが空を飛んでいたらいいなとか、
 昔から変わらない空想癖が戻ってきた。
 だから、まだ、やれる気がした。





★君に近づきたい


 君に恋してしまいました。
 君の気持ちを見ることができる暗証番号を教えて下さい。





★今日も一日、ありがとう


 解いたヘアバンドをテーブルに置くと、
 メビウスの輪になった。
 
 一気に宇宙に近づけそうな日常にくすりと笑いながら、
 コーヒー牛乳を一口飲むと、
 今日の疲れなんて、本当にどうでもよくなった。




★47分発待ちのいつものホーム


 朝のホームは朝霧のなかで冷たかった。
 夏の肌寒さは珍しくて、それすら新鮮に思えるね。

 いつも、私の心が満たされないのは、
 いつも、それなりにストレスと、
 不満を胸に抱え込んだままだからなのはわかっているよ。

 ただね、私は臆病な性格だから、
 誰にもそれらを言うこともできないし、
 それを言える適切な人なんていないんだよ。

 だから、私は私の心を封じたまま、
 今日も47分発の電車を待ち続ける。




★幼いふたりの恋は幻だった

 
 ふと、忘れていた君のことを思い出した。

 まだお互いに幼かったふたりは、
 教室で夢中になにかを語り合っていた。

 そのなにかは、もう忘れてしまったけど、
 その時間は楽しかったことだけは、
 覚えているよ。

 恋を伸ばす方法も知らなかったふたりは、
 秒針が何万回も刻むうちに、
 関係性は自然消滅してしまった。

 君の居場所なんて、もうわからないし、
 君が今、どこで何をしているのかもわからない。

 ただ、あのとき、親しんだ君が、
 今日もどこかで元気でいたらいいな。
 



★メッセージを待っているうちに


 さっき観た古い恋愛映画の余韻が甘く残ったままだよ。
 
 チョコレートを溶かして、ハートを型取り大量生産するように、
 恋が簡単にうまくいけばいいのにって、
 ふと、そんな空想をしてしまうくらいに。

 映画を観る前、
 思い切って君に送ったメッセージは、
 まだ一方通行のままで、
 やっぱり、片思いのままなのかなって、
 落ち込んでいるけど、淡く期待は持ったままでいたい。

 だって、君のこと、もっと知りたいから。





★恋を深める星屑


 ねえ、砂浜に落ちた星の欠片を一緒に集めよう。
 こうすることで私たちの恋が深まると思うんだ。

 星の欠片をガラスのボールに入れて、
 黄色のキラキラにレモンと、ソーダを入れて、
 一緒にレモンソーダにしよう。

 そして、笑い合いながら、
 グミなんかも入れちゃって、
 ふたりだけの楽しい時間にしようね。
 



★君に光を


 君に光をあげよう。
 希望とか、好きとか、素敵とか、
 ありがちな光を詰め込んで、
 君にあげるね。 
 




★君の涙が消えるように、そっと願う


 コーヒーをクリープに入れ、
 白い渦を作るように、
 願いを込める。
 
 今の君の涙も、
 苦しさの底に混ざりきって、
 君の優しさが戻りますように。




★雨の日にようやく君の話を聞く


 雨の日の昼間のカフェはガヤガヤとしていて、
 君のかすれた声がかき消されそうなくらいだった。

 周りに振り回されて、
 疲れ切った君はすっと、ため息をついた。

 君の一通りのことをもっと早く聞くべきだったと、
 後悔しながら、僕はカフェオレを一口飲んだ。

 ごめんね、気がついてあげられなくて。




★そのとき、なにも言えなかった


 夕方のチャイムはオレンジ色と一緒に溶けてしまいそうだね。

 高台の公園のベンチにふたりで座り、
 なにもない寂れた港町をぼんやりと眺めている。

 「もう、何もかも疲れた」って、
 君がポツリと言ったあとにチャイムは鳴り終わった。
 海は今日もキラキラしていて、
 君になんて返せばいいのか、
 言葉が見つからず、ただ、そのキラキラを眺め続けた。
 
 「なんてね」と言って、君は笑みを浮かべた。




★君とはまだ友達以上


 コンクリートの非常階段が、
 ふたりだけの秘密の場所になっていて、
 今日も、階段に腰掛けて、
 夏が始まったばかりの見慣れた街をぼんやり眺めている。

 君はクラスで浮いているらしいし、
 だったら似た者同士だねって、
 笑いあったのは、ここ最近のことだった。

 そんな君のことを友達以上に思い始めているけど、
 それ以上になれるかなんて、まだわからない。
 君がどう思っているかなんてわからないから、
 今は、現状維持をして、
 コンクリートの冷たさをしっかり感じていたい。




★冥王星調査旅団


 冥王星調査旅団が着陸したニュース速報を見て、
 僕と彼女はなぜかわからないけど、
 お互いに笑いあった。

 有人飛行とか、そんなものはどうでもいい。
 そんなことより、彼女の笑顔を、僕はただ、守りたい。




★センチメンタルを止めないで


 ねえ、センチメンタルを止めないで。
 大切にしているテディベアに新しい赤いリボンを与えるように。
 永遠の孤独なんて存在しないように、
 今日も泣いて、夜明けを迎えよう。

 寂しさの破片は、
 まだ胸の奥に刺さったままだよ。




★退屈な日常は雨も悲しみも待ってくれない


 今日も雨の匂いで満ちている。
 ビニール傘が湿った世界を切り裂いているみたいだね。

 胸いっぱいだった悲しみが、
 より悲しみで満ちないように、
 路肩に生えている濡れた緑を見ながら、
 今日も地下鉄の駅まで向かう。



★自分ばかり見すぎてた

 ごめんね。
 今はもう、自分のことで精一杯なんだ。

 だからね。
 君のことを見ていない自覚がなかったんだよ。
 それでも、なにも考えずに言った言葉で、
 君のこと、傷つけて、ごめんね。




★パズル


 思い出で涙が止まらなくなるくらい、
 君と積み重ねた日常は、
 白いフローリングいっぱいに、
 つなぎ合わせたジグソーパズルみたいだったよ。

 未完成で欠けた世界は、
 もう二度と、再現することはできないね。
 



★クロワッサンを食べながら


 朝のガラガラのカフェで、
 サクサクのクロワッサンを食べながら、
 昨日の出来事が断片的に頭のなかで再生される。

 今はどうなるかなんてわからないけど、
 思い切って、前さえ向いていれば、
 どんな結果も受け入れられるような気がする。




★順応できない


 人の決めつけにいつも敏感で、
 また社会に順応できないやって、
 そのたびにいつも、なにかを諦めてしまうよ。

 言葉やちょっとした表情に敏感になり、
 家に帰って、やるせなさでぐったりする。

 自分はもう、
 普通を生きることが難しいから、
 簡単さを手に入れるために、
 なんとか今の状況を乗り越えてやる。





★水素のなかで溺れる


 100%の水素のなかで、
 嘘をついて溺れるくらい、
 君は社会で生きるのが苦手なんだね。





★冷夏で、すべてが霞む


 今年は冷夏で長袖を着たまま、
 霧のなかの高原で別れ話をするなんて、
 むしろロマンチックじゃない?

 君の表情も曇れば、
 緑も、白も、草の匂いや、冷たい湿度も、
 印象的すぎて、君がいつもつけている
 ピアスの輝きも、すべてが霞むね。
 



★貴重な楽しい時間は溶けてしまったね


 貴重な楽しい時間も、
 メリーゴーランドの電球色のなかに、
 いっきに溶けてしまったね。

 閉園前の最後に、
 電球色の中の君をiPhoneで収めることができて、
 嬉しいよ。




★通り雨のあとの散歩


 通り雨で濡れた木々の下を
 君と手を繋ぎながら、
 ただ、ゆっくりと歩いている。

 午後の日差しの白で、
 キラキラしている葉を見ているだけで、
 どうしてかわからないけど、泣きたくなるよ。

 君が隣にいるのに、
 感傷的になるなんて、変だよね。





★いくつも重ねて


 果てしなかったはずの思い出も、
 いつの間にか、淡い輝きになっていたね。

 ジュエリーケースのなかで眠る、
 思い出と一緒に忘れたピアスみたいに、
 君との恋は未だに保存されたままだよ。




★自由だから


 ギターでありがちなコードを抑えて、
 適当に歌詞をつけて歌い続けている。
 思いついた言葉をそのまま歌えばいいんだ。
 だって、自由だから。




★このまま飛び越えたい


 このまま飛び越えていきたい。
 今の憂鬱や、苦しさは、
 いつか終わって笑えるはずだから。

 それがわかっていても待てないから、
 とりあえず、さっき帰り道で買った、
 100円のシュークリームを一口食べた。




★叶わない無数の約束


 夢の中で、幼なかったふたりが、
 意味が伝わらない無数の約束を交わし続けていた。
 君も、私も、幼かった。

 目覚めて、涙を拭う。
 きっと、素直なときのまま、
 もう会うことなんてあり得ない君と、
 楽しさを紡げたら、
 もっと、私の今は、楽しかったかもね。




★赤いスカートの裾をはためかすように


 赤いスカートの裾を右手ではためかすように、
 どんなことも笑顔でいる、タフでキュートな力を蓄え続けたい。




★できないことは明確だけど


 できないことばかりで、
 たまに自分のことが嫌になるけど、
 簡単に助けを求められるようになった自分は、
 昔の自分から見て、すごいことだと思う。




★記録なんて大したことなかった

 
 瞬間を忘れないように、
 日記を書き始めて、
 もう、10年くらい経った。

 それらを今、見返すと、
 自分が幼すぎて、
 青くて、小さなことで悩んでいたんだって、
 可愛く思えた。

 それらに「さよなら」を告げて、
 そっとゴミ袋の中に入れた。




★崩れそうだから


 崩れそうなくらい、
 ここ最近、絶不調で、
 もう諦めてしまいたい。

 自分を信じる力が今、足りないから、
 LEDライトが心細い、夜の住宅街を散歩する。




★まじないをつぶやく


 どうにでもなれって、
 まじないみたいにつぶやいて、
 どうせなら、ぼんやりしようって、
 またまじないをかけた。




★都市の孤独が追い詰める


 虚しさと都市の孤独で、
 追い詰められているような気がする。
 ここ最近負った失恋の傷は癒えないし、
 何もかも上手く行かないから、
 そろそろ、都会から離れる時期かもって、
 無性に嫌いな地元に帰りたくなった。




★なにがいけないんだろう


 なにも変えることができずに、
 自問自答ばかりして、
 結局、朝を迎えてしまった。

 モヤモヤしたままで、
 眠さはやってこないから、
 結局、コーヒーメーカーのスイッチを押した。





★まだ、頑張ってみるよ


 好き勝手やってきたけれど、
 気持ちは一向に満たされないんだよ。

 わかってるつもりだよ。
 だけど、自分の限界を越えたいんだ。
 諦めずに。




★先を行く君へ

 
 精神年齢が低いのかもって、いつも思ってるよ。
 だけど、君と対等な関係になりたいから、
 もう少しだけ、大人になるまで待ってて。




★季節が巡っても


 夏の始まりの匂いで胸が痛いよ。
 微温い風に乗って、季節は巡っていくけど、
 自分はまだ変わることができなくて、
 自分でもそれがもどかしいよ。

 もし、正当な強さを持っていたら、
 きっと、上手く大人になれたんだろうね。




★寂しいよ


 ねえ、寂しいよ。
 君のいない日常をどうやって彩ればいいの?




★微笑みをポケットに


 ポケットいっぱいに君の言葉を詰め込んで、
 どうか、愛をたくさん満たしてください。
 ただ、今の私は、
 君の微笑みを見続けるだけで十分だから。




★私を私のことを知らない場所へ連れて行って


 たまに人間関係にうんざりしちゃって、
 リセットしたくなっちゃうよ。

 誰も私のことを知らない、
 新しい場所と人で、
 いつも自分を偽らずに楽しめる世界に行きたいって、
 別に問題ない日常なのに、いつも思っちゃうんだ。
 自分でもわかってるよ。
 甘いよね、考え方が。




★君の安心感は脆かった


 君との恋は、
 保健室の消毒の匂いみたいに、
 印象的で安心と不安がある恋だったね。

 だから、君が別の人を選んでも、
 なにも不思議には思わなかったよ。

 ただ、君のコアをもっと知りたいと思っただけの恋だから。





★月明かりの下、君に告げる


 このまま、ずっと月明かりの下を歩いていたいな。
 だって、なんでかわからないけど、
 こうして君と歩いているだけで、
 安心できるんだ。





★たまに無性に悲しくなる


 今は、ゆったりとしたバラードを聴きたいよ。
 なにがあったわけでもないけど、
 たまになにかが心のなかで限界になって、
 無性に悲しくなってしまうんだ。

 だけど、心配しないでいいよ。
 それはね、たまに起きる自浄作用みたいなものだから。




★もう刺激はいらない


 もう、SNSとか、最先端とか、
 刺激的なことを取り入れたくないよ。

 いい情報よりも、比較ばかりで、
 疲れてしまったんだ。

 いやな言葉や、いやな情報なんかより、
 自分のなかにあるキラキラを見つめ続けることにしたから。




★センチメンタルな君に告げる


 君の切なさをしっかりと繋ぎ合わせて、
 センチメンタルな甘さにしてあげる。
 
 それで君が笑顔になれば、
 それは最高なことだから。