9月の体育祭で俺はちんちくりんをずっと見ていた。
 100メートル走は1位だった。
 借り物競争で校長と手を繋いで笑いながら走ってた。
 クラスメイトに男女問わず抱きついて、優勝を喜んでいた。
 髪がぐちゃぐちゃになるくらい頭を撫でられたり、両側男と肩を組んでカメラマンに笑顔を向けていた。

「俺の事好きなんじゃねぇのかよ…」

 俺は、多分…
 ちんちくりんが好きだ。