瞬く間に過ぎて行く日常こそが青春なんだ

 明け方芽吹が帰って来た。
 眠れもせずに待っていたのに、俺は声をかけなかった。
 隣の部屋のドアが閉まる音がする。

 今すぐ顔が見たい。
 今すぐ話したい。
 今すぐ抱きしめたい。

 なぁ…気が狂いそうだよ。

 それでも、必ず何か理由があると信じていたから…冷静な状態でちゃんと話を聞こうと耐えた。

 昼過ぎにリビングで顔を合わせた。
「…芽吹」
「あ、おはよう。義孝くん」
「目、どうした…泣いたのか?」
「…あぁ、ははッ。ちょっと映画で…」
「昨日も泊まって来たの?花ちゃんとこ…」
「…昨日何度も電話くれてたのに出られなくてごめんね…。家に携帯置き忘れて出かけちゃってて」
「そうなんだ」
「何の電話だった?」
「…部屋で話そうか」
「じゃあ何か飲み物…」
「いいよ、いらない」

 そう言って俺は先に階段を上がった。