瞬く間に過ぎて行く日常こそが青春なんだ

 活気付いた夜の新宿の、煌々と光るネオンサインと笑い声。
 今夜もゼミのヤツらと飲みに来ていた。
 メンバーの中には女も混じっていたけれど、別にそいつらとどうこうなるつもりもないし気にもしていなかった。

「…え?」

 交差点の向こう側に芽吹がいた。
 俺は女と並んで立っていて、芽吹は男の腕を掴んでそいつと何か言い合いをしていた。

 疑いなんて微塵も持っていなかった。
 だから、そこにいるのは俺が生み出した幻なんじゃないかと思った。

 誰、その男…

 信号が変わる前に芽吹の手を振り解いた男が早足で駅に向かって行った。
 そしてそいつを追いかけて芽吹も駅へ走って行く。

「何…だよ」

 ふざけんな…
 ふざけんな‼︎

 大通りの交差点の赤信号はバカみたいに長い。
 無視しようにも絶え間無く行き来する車やバイクのせいでままならない。

 電話をかけても出る気配が無い。
 耳に当てた携帯から繰り返される呼び出し音。

 ふざけんな…