瞬く間に過ぎて行く日常こそが青春なんだ

 特徴のあるリズムでノックの音がする。
 それだけで口元が緩んでしまう。
「良いよ」
 ドアを開けて芽吹が入ってくる。

「あ、やっぱりまだ忙しかった?」
「いや大丈夫…だけど、もうちょいキリ良いとこまでやるわ」
「ん、了解です」
 そう言って芽吹はベッドに乗っかり壁に寄りかかる。

 手に持っていた社会福祉士を題材にした小説を開き栞を抜いて読み始める。
 そんな何でもない仕草さえも愛しくて仕方ない。

 真っ直ぐに伸ばされた芽吹の両脚を挟む様にしてベッドに両手両膝を突き、顔を上げた芽吹にキスをした。

「あれ、やめちゃったの?」
「んーん。充電」
 もう一度キスをする。
 本を閉じて芽吹が優しく髪を撫でてくれる。
「よしよし。頑張れ」
「んー…」
 このまま抱きしめて押し倒したい…。
「元気になった?」

 純真無垢な芽吹の笑顔に慌てて邪な考えを打ち消す。
 友哉からは笑う、呆れる、を通り越してもはや尊敬されている。
「じゃ、あとちょっと頑張ってくる…」
 机に戻りPCのスリープを解除した。