それからは、廊下でバッタリ会ってもまともな会話はなかった。
 板垣芽吹はいつも通りにっこり笑って
「中道くん」
 と声をかけてくる。
 そして、俺はそれに対して
「おう」
 と言ってすれ違う。

 その度に胸が軋む様に痛んだ。

 12月一週目に期末テストが終わり、テスト休み期間に入った。
 同じくテスト休みの地元の連れ二人に、彼女と別れた友哉も加えて四人で毎日遊び回った。

 楽しかった。
 ただ、どこかに物足りなさを感じていた。
 彼女でも作れば満たされるのだろうかと、声をかけてくる女をそういう目で見てみた。
 学校で告って来た人たちをそういう目で見てみた。

「いや…。絶対ないわ」