「ありがとう!本当にありがとう。君が入部してくれたおかげで廃部をまぬがれたよ」
そう言って俺の手をギュッと握ってくるのが、廃部寸前だったボランティア部の部長で原石だ。
「別に。どうせ暇だったし」
ボランティア部に入ったのはただの暇つぶしと、償いだった。
『誰かのためにボランティア部に入ろう!』
そんな心が綺麗な人間じゃない。
「じゃあ、もういいですか?」
「うん。ありがとう」
俺は助っ人で入ったボランティア部の活動で仲良くななったのがミヒロだった。ミヒロと会うために今日も病院に来ていた。彼女と会うのは出会った木の下だか、まだ来ていなかった。
太陽を見上げるとふと思い出す人がいる。その人はいつも笑顔で笑っていて、泣き言一つも漏らさなかった。最後まで強く幸せそうに生きていた。そんな彼女には気になる人がいた。それは、いつも無表情な男だった。彼もまた、最後まで彼女を想っていた。
そんな二人を見ていると、辞めたくなった。
人の命を奪う―――――死神を。
今は、転生して人として生きている。だけど、死神だったころの記憶も残っているし、死神になる前の自分も憶えている。でも、人の命を奪ってきた俺が人として笑って幸せでいいのかと聞かれたらその答えは、NOだと思っている。
それでも、生きて生きていつか、あの二人にもう一度会ってみたかった。そのために、今も俺は生きている。
目をつむり、力を抜く。だんだんと眠たくなっていき、意識が遠のいていく。
「想うよ。絶対に忘れないし、他の人を好きになれないと思ったから」
由季は、俺の問いに強く答えて見せた。だけど、俺は心の中で笑っていた。永遠なんて、存在しないと。
「そんな保障ないよ。だって、人の心は季節みたいに変わっていくんだよ?だから、変わらないって言いきれないよ」
そういう人間をよく見てきた。妻が死んですぐに再婚し子供ができ、死んだ妻のことを忘れていた。
そんな人間ばかりだった。
なのに、由季はあれからずっと、死ぬまで想ってくれた。俺の考えを変えてくれた。
「僕はね、わからないんだよ。なんで、好きになった人を忘れられるんだろうって。だから、僕はできるかぎり彼女を想うよ」
そう言った由季が、人を好きになったことがないからこそ言えたことだ。それでも、死ぬまで想っていた。
これからも、由季は一人で、でも晴乃と共に生きていくはずだったのだろう。だけど、それをできしなくしたのが俺だ。晴乃が死んだあと、次に担当する人の書類は配られていた。それが、由季だった。本当は、由季に死ぬことを伝えるつもりだった。でも、晴乃の未練があいつだと知ったとき、言わないでいた方がいいと、面白いとおもった。
それからだと思う。三人で海、夜の学校にも行った。たったの三日間だった。だけど、俺たちからしたら、長く楽しく一番忘れられない三日間。
今でも、思い出せる。
「ああ、でも僕は忘れてやらないからな」
由季は、グッと涙をこらえてながらも笑いかける。
「はは、由季くんっぽいね」
「僕は絶対に晴乃だけを想うよ」
目じりに溜まった涙を払う。そしてフッと目を細めた。その顔はどこか晴々していて、でもどこか悲しそうだった。
「私も由季くんだけをずっと想う」
そう言って俺の手をギュッと握ってくるのが、廃部寸前だったボランティア部の部長で原石だ。
「別に。どうせ暇だったし」
ボランティア部に入ったのはただの暇つぶしと、償いだった。
『誰かのためにボランティア部に入ろう!』
そんな心が綺麗な人間じゃない。
「じゃあ、もういいですか?」
「うん。ありがとう」
俺は助っ人で入ったボランティア部の活動で仲良くななったのがミヒロだった。ミヒロと会うために今日も病院に来ていた。彼女と会うのは出会った木の下だか、まだ来ていなかった。
太陽を見上げるとふと思い出す人がいる。その人はいつも笑顔で笑っていて、泣き言一つも漏らさなかった。最後まで強く幸せそうに生きていた。そんな彼女には気になる人がいた。それは、いつも無表情な男だった。彼もまた、最後まで彼女を想っていた。
そんな二人を見ていると、辞めたくなった。
人の命を奪う―――――死神を。
今は、転生して人として生きている。だけど、死神だったころの記憶も残っているし、死神になる前の自分も憶えている。でも、人の命を奪ってきた俺が人として笑って幸せでいいのかと聞かれたらその答えは、NOだと思っている。
それでも、生きて生きていつか、あの二人にもう一度会ってみたかった。そのために、今も俺は生きている。
目をつむり、力を抜く。だんだんと眠たくなっていき、意識が遠のいていく。
「想うよ。絶対に忘れないし、他の人を好きになれないと思ったから」
由季は、俺の問いに強く答えて見せた。だけど、俺は心の中で笑っていた。永遠なんて、存在しないと。
「そんな保障ないよ。だって、人の心は季節みたいに変わっていくんだよ?だから、変わらないって言いきれないよ」
そういう人間をよく見てきた。妻が死んですぐに再婚し子供ができ、死んだ妻のことを忘れていた。
そんな人間ばかりだった。
なのに、由季はあれからずっと、死ぬまで想ってくれた。俺の考えを変えてくれた。
「僕はね、わからないんだよ。なんで、好きになった人を忘れられるんだろうって。だから、僕はできるかぎり彼女を想うよ」
そう言った由季が、人を好きになったことがないからこそ言えたことだ。それでも、死ぬまで想っていた。
これからも、由季は一人で、でも晴乃と共に生きていくはずだったのだろう。だけど、それをできしなくしたのが俺だ。晴乃が死んだあと、次に担当する人の書類は配られていた。それが、由季だった。本当は、由季に死ぬことを伝えるつもりだった。でも、晴乃の未練があいつだと知ったとき、言わないでいた方がいいと、面白いとおもった。
それからだと思う。三人で海、夜の学校にも行った。たったの三日間だった。だけど、俺たちからしたら、長く楽しく一番忘れられない三日間。
今でも、思い出せる。
「ああ、でも僕は忘れてやらないからな」
由季は、グッと涙をこらえてながらも笑いかける。
「はは、由季くんっぽいね」
「僕は絶対に晴乃だけを想うよ」
目じりに溜まった涙を払う。そしてフッと目を細めた。その顔はどこか晴々していて、でもどこか悲しそうだった。
「私も由季くんだけをずっと想う」



