嫌いなあいつが気になって

 新学期になって俺も何とか二年生になった。

「琉生ーっ!よかったじゃーんっ!」

 凛華が走ってきて俺たちは共に笑う。
 今までと違うのは抱きつかなくなったこと。
 もちろんキスもずっとしていない。

「クラスは?」
「一緒〜っ!今度は美空もだよ!」
「マジか!」

 言いながら掲示板を見上げた。

「そっ!武野くんも同じ二組!だから、行こーよ〜!」

 明るく笑う凛華に少し申し訳なく思いつつも、あの日あれ以上は踏み込んで来ずこうやってまた一緒に居てくれることにホッとしている。

「いや、あいつはどーでもいいし……」

 少し遠慮がちに引かれた腕より俺は掲示板から目が離せない。
 宮部は?あいつは何組だ?
 凛華から二組と聞いてとりあえず二組の名簿に目を走らせた俺は今年も“村瀬”の前に“宮部”があって胸を撫で下ろした。
 あいつと一緒なのがこんなに嬉しいなんて……何度否定しようとしても、今だって宮部が居ないかその姿を探している自分に気づいて笑えてくる。
 あいつにおっぱいないのになぁ。
 かといって筋肉もなさそうなその姿を思い浮かべるだけで少しドキドキした。

「あっれぇ?琉生ー?ニヤニヤしてどーしたの?何かエッチなことでも考えてた〜?」

 目の前で手を振る美空に気づいてその姿をしっかり捉えると、慌ててそれまでの思考を消し去る。

「はぁ!?って、お前が胸くっつけてきてるからじゃねぇかっ!!」
「えー?本当にエッチなこと考えてたの〜ぉ?」
「美空!お前に州人事はねぇのか!」
「はぁ?……あ、《《羞恥心》》!?琉生もねー!バカ過ぎっ!」

 いつの間にか埋められていたその豊満な胸から腕を引き抜くと、美空は声を上げて笑った。