「ヤバーぁっ♡」

 三人で注文した桃、イチゴ、マンゴーのパフェ三つを並べてしばらくは写真を撮る。
 まだパンケーキだのゼリーだの気になるメニューもかなりあって、またみんなで来ようと食べる前から盛り上がっていた。
 それぞれSNSにあげるとすぐに反応があってまたそこから話は尽きなくなる。
 笑って、パフェを食べて、食べさせ合って、また写真も撮って……俺はあいつとは違う。
 ちゃんと周りにはいつも人が居て、こうやってあちこち出掛けているから。
 いつも下を向いて勉強ばかりしているせいで、あいつは色んなものが見えていないんだろう。
 周りを見ればこんなにも煌めいた素敵な世界が広がっているのに。

「琉生?どうした?」
「ん?何が?」
「ここ、皺寄ってるよ?」 

 トンと凛華に眉間に指を付けられてとにかく笑う。

「勢い余って舌噛んだだけ」

 痛がるフリをすると二人に笑われて、俺もヘラヘラと笑いながらマンゴーを口にした。
 甘さが広がるが、果物のさっぱりもあってスプーンが進む。

「うっまっ!」
「ねー!他も食べたくなるでしょ?」

 声に出すと、凛華がイチゴを乗せてこっちにスプーンを向けてくれた。
 パクついて俺もマンゴーを乗せて差し出す。
 二十センチ超えの大きなパフェだったが三人ともペロッと食べ切ってしまった。