和奏が俺の右、凛華が俺の左にくっついてきて三人で駅裏に向かう。
 この両手に花は本当に気分がいい。
 振り返る他校の女子にも笑い掛けていると、

「本当、チャラ〜い!」

 和奏はケタケタと笑ってギュッと俺の腕にくっついてきた。

「だって女の子はみんなかわいいじゃん?そりゃ見るし、声を聞いてみたいよな?」

 悪びれない俺を和奏と凛華も責め立ててはこない。

「あ!あそこだよねぇ!」
「そうそう!今は桃、マンゴー、パイナップル!ヤバっ!どれも美味しそうじゃん!」

 店の外からも見えるディスプレイを見て二人のテンションが上がり始めた。
 クリームやアイス、コーンフレークが大部分を占める印象のパフェ。
 だが、ここはフルーツパーラーと名乗るだけあって果物がメインで見た目のインパクトもかなりだ。
 店は満席で待ちにはなった。
 だが、待っている間も、

「この桃のやつ一個丸ごとだって!」
「これだけフルーツだとパフェ食べても罪悪感減るかもね〜ぇ!」

 メニューを見て嬉しそうにする二人がかわいい。

「琉生はどーするぅ?」

 和奏に聞かれて俺も二人と一緒にメニューを見た。

「同じ……にするより別々のやつにしてシェアしてぇんだろ?」
「「だねぇ!」」

 笑い合う二人とメニューをあれこれ悩んでいると、呼ばれるのなんてあっという間だ。