あいつ――日枝奏汰を初めて見たのは、高校1年の入学式のときだった。
同じクラスで、ひとつ前の出席番号。
第一印象は体育館に並んだときの、広い背中だ。
整った顔。背が高くてぱっと目を引く容姿なのに、服装はだらしなくシャツがズボンからはみ出している。明るい髪色とチャラそうな見た目。そのわりに、体格のせいか、態度のせいなのか、どことなく威圧感があって話しかけにくい感じがする。
性格は明るくやんちゃで、物怖じしなくて、何でも器用にこなすタイプ。
クラスでも誰かとトラブっているのは見たことがないし、誰の懐にもすっと入っていってしまうような不思議な魅力がある。
同性からも異性からも人気があって、モテていて、要領のいい男……。
自然体で楽しそうに高校生活を送っている――そんな彼のことが、僕は心の底から嫌いだった。
同じクラスで、ひとつ前の出席番号。
第一印象は体育館に並んだときの、広い背中だ。
整った顔。背が高くてぱっと目を引く容姿なのに、服装はだらしなくシャツがズボンからはみ出している。明るい髪色とチャラそうな見た目。そのわりに、体格のせいか、態度のせいなのか、どことなく威圧感があって話しかけにくい感じがする。
性格は明るくやんちゃで、物怖じしなくて、何でも器用にこなすタイプ。
クラスでも誰かとトラブっているのは見たことがないし、誰の懐にもすっと入っていってしまうような不思議な魅力がある。
同性からも異性からも人気があって、モテていて、要領のいい男……。
自然体で楽しそうに高校生活を送っている――そんな彼のことが、僕は心の底から嫌いだった。


