クロードとは、まだギクシャクしている。ただ私が聞きたい事を、彼に聞けていないだけ。
ただ好きなだという関係では、こんなに遠い場所にまで追い掛けて来るあの彼女の行動は、あまりにもおかしい。
『私以外絶対好きにならないで』という約束を守り続けていると言っていたから、そんな訳ないって思っているけれど、もしかして、前に付き合っていたとか……?
「……そういえば、ギャビンって、今何処に居るの?」
「呼びましたか?」
何気なく思った疑問を口にしたら、するりと紫の猫が机の下から頭を出して、私は息が止まるほどにとても驚いた。
だって、そんな場所に居るなんて、全く思っていなかったもの!
「おい。すり抜けるなって……驚くだろう」
「僕は誇り高き翼猫ですよ。移動方法には口出しされたくありません。そこは、譲りません」
機嫌が悪そうに眉を寄せたクロードと涼しけな表情を崩さないギャビンは、じっと睨み合っていた。
関係性的にクロードの方が立場的に上かと思えば、どうやらそうでもないらしい。



