……だって、あの人とのことを詳しく聞きたいって、どうやって言えば良いの……?

 クロードは私のことを……昔した約束のこともあって、好きだって言ってくれていた。

 ただせっかく一人で生きていけているし、クロードが現れたからって、すぐにこの生活を手放したいだなんて思えない。

 ……だって、どんなに愛し合って結婚した男女でも……何かの理由で、別れてしまう可能性がある。

 私たちは再会したばかりだし、付き合って結婚すると定めるのも、お互いを知ってからでも遅くないはずよ。

 私だって、多少は大人になったのよ。

 けど……! けど、気になる……あの女性は、どういった関係の人なのか。

「クロード。あのね……」

「うん?」

 クロードもこう何度も言い掛けては止めてを何度も繰り返され、流石に何か深刻なものがあったのかと私の目をじっと見つめた。

 その時。

 薄紫の毛に覆われた猫の顔が机の上に現れて、私は驚いて後退った。

「わっ!」

 ぽふっと座っていたベッドに倒れた私を、クロードは右手を伸ばして起き上がらせた。