「シュゼット~。そんなに嫌がらないでよ。俺たちは一度は付き合った仲じゃないか」

「……付き合って三日で浮気する人なんて、絶対に嫌よ。復縁することなんて、あり得ないからね」

 ドレイクは自らの容姿が良いことを良く知っていて、私に顔を近づけて来た。

 自分のことを嫌がるはずないだろう? 俺のことを悪くは思わないだろう? と、そう言いたげなふてぶてしい表情。

 確かに外見が良い男性に、嫌な気持ちを持つ女性は少ないと思う。

 けれど、私は出会ったばかりの彼に抱いた淡い好意を台無しにされて以降、このドレイクに好意なんて示したことはないはず。

 いつも嫌悪感剥き出しにして対応して、出来るだけ関わらないように避けているというのに、まだ嫌がっているとわかってもらえない。

「またまた~、嫌よ嫌よも好きのうちって言うんだよ。シュゼットには、まだわからないと思うけどね」

 遠ざかる私の腕を親しげに触ろうとしたので、やんわりと押し戻した。

「……私の嫌は、本当の嫌よ。もういい加減にして、ドレイク」

 本当の拒否を言葉に込めて強めに言えば、ドレイクは急に態度を豹変させた。