「ごめんごめん! あの時は少し酔ってたんだよ。もうしないって~!」

「もう。その言葉、何回目なの? いい加減にして」

 私が軽く睨みつけると、ドレイクは無視してにやにやしつつ手を振った。

 こうやって、自分の都合の悪いことは聞かない振りをする。いつもの事なので、私もふーっと息をついた。

 何を言っても無駄なことは、前々から知っているけれど……本当に嫌だわ。

「というか、あれからシュゼットの通信機、使えなくなっているけど……どうかした?」

 あれからドレイクが私へ通信して来ても、受信する側の通信機が壊れているのだから繋がるわけは無く、ずっと不思議に思っていたのかもしれない。

 けれど、あれは仕事の時に使う物で家に居る時に使うものではない。私用での使用は禁止はされていないけれど、私はドレイクからの通信には迷惑していた。

 仕事上で連絡を取り合うこともないのたもから、彼からの通信だけ拒否出来たら良いのに……。

「……壊れてしまったの。通信機は今は、修理に出しているから」

 壊してしまったクロードがお金を出してくれて、今は専門のお店で修理中だ。私も提示された修理代を見て目が飛び出そうになったけれど、クロードはまったく動じずにお金を払っていた。

「え? 何があったの?」

「貴方に関係ないでしょう。ドレイク。いい加減私のことは、放って置いてよ。付き合ったことがあるとは言え、もう別れているんだから」

 彼のことを拒否するために嫌な表情をしてそう言ったのに、ドレイクはにやにやしながら私により近付いた。