クロードは私の言葉を聞いて、じっと見つめた。

 底で光を放つような、不思議な青い瞳。吸い込まれるように視線を合わせた私に、クロードは顎に手を当てて答えた。

「……わからない。シュゼットのことは、可愛いから好きなのか、好きだから可愛いのか。はじまりは謎だけど、それを考え出したら、ずっとループするから永遠に終わらない。外見もだけど、中身も良い。真っ直ぐで可愛い性格も好きだと思う」

「そ……そう……」

 クロードの話を聞いて、正直、私の笑顔は引き攣っていると思う。

 何。この人……私のことが、好き過ぎて、少し怖い。

 クロードが好きで居てくれる理由はもちろん知っているし、どこに居るかわからなかった私を諦めなかった理由も納得は出来る。

 けれど、ここまでクロードが私を好きで居てくれるという事実が、なんだか受け止めきれない。

 現実感なんてまるでなく、彼の存在そのものが夢の中の出来事のように思えるのだ。

「あ。俺。服を買おうかな……季節的に、そろそろ暑くなって来たし」

 クロードは観光地ならではのお土産物になんて目もくれず、実用的なものを買いたいと言い出した。