「ああ……明後日から、仕事?」

「そうよ。私の本業。こういうお使いは、本当に、たまにしかないの。特別報酬が貰える、おいしい仕事だけどね」

「……ふーん」

 クロードはなんとも言えない表情をしていた。言いたいことがあるけれど、それを我慢しているという顔。

 私が何も言わないでって言ったせいね。

「そういえば、クロード。魔王を倒した仲間たちは、どうしてるの?」

 話を変えようと、彼側の話を聞くことにした。

 勇者といえば、パーティーを組むことで有名だ。通例でいくと、彼だって勇者以外四人の仲間が居るはずだった。

「あ……うん。そうだね。気になると思うけど、邪魔だったから、俺以外追放したんだ。だから、魔王を倒したのは、俺一人なんだよね」

「つ、追放? ……出来るんだ」

 私は思わぬ話題の流れに驚いた。全員追放しても魔王に勝ててしまうなんて、凄すぎる。

「うん。俺一人の方が動きやすかったし……シュゼットを早く探しに行きたかったから」

 とんでもない話をなんでもないことのように語り、私はため息をつくしかない。

「クロードって、なんだか、すごいわ」