そう言ってクロードは返事も聞かず、さっさと出て行ってしまった。
私も彼から言われて、はたと気が付いた。
今着用しているような貴族令嬢が着るドレスは、狭い洗面所でなんて着替えられない。ふんわりと膨らんだスカートの下にはバッスルがあって、一旦これを外さなければいけない。
このドレスは特別製で一人でも脱ぎ着出来るものだけれど、クロードが出て行かなければ私は彼の前で着替えることになっていたのだ。
「……気が利くんだから。それとも、優しいから? 幼い時からずっと、優しかったけど」
そう呟きながら、私はひとつひとつ留め具を外し、洗える箇所は綺麗に畳み、洗えない箇所には消臭で霧吹きをかけた。
そして、久しぶりに髪をひとつにして高い位置に括り、なんのへんてつもないワンピースに着替えた。
堅苦しくもないゆったりとしたつくりの服に、ほうっと息を吐く。
貴族令嬢のドレスは美しいけれど、重いし苦しい。何も締め付けられていない状態が、驚くほどの解放感だった。
「お疲れ様。やっぱり君は、何着ても可愛いね。シュゼット」
私も彼から言われて、はたと気が付いた。
今着用しているような貴族令嬢が着るドレスは、狭い洗面所でなんて着替えられない。ふんわりと膨らんだスカートの下にはバッスルがあって、一旦これを外さなければいけない。
このドレスは特別製で一人でも脱ぎ着出来るものだけれど、クロードが出て行かなければ私は彼の前で着替えることになっていたのだ。
「……気が利くんだから。それとも、優しいから? 幼い時からずっと、優しかったけど」
そう呟きながら、私はひとつひとつ留め具を外し、洗える箇所は綺麗に畳み、洗えない箇所には消臭で霧吹きをかけた。
そして、久しぶりに髪をひとつにして高い位置に括り、なんのへんてつもないワンピースに着替えた。
堅苦しくもないゆったりとしたつくりの服に、ほうっと息を吐く。
貴族令嬢のドレスは美しいけれど、重いし苦しい。何も締め付けられていない状態が、驚くほどの解放感だった。
「お疲れ様。やっぱり君は、何着ても可愛いね。シュゼット」



