……ただ、裕福な人しか乗れない飛空挺に乗って、手紙を持って往復して来るだけなのよ。
それに、あんなに良い人のローレンス侯爵が、悪事に手を染めるなんて思えない。
……とは言え、空の旅も何度も何度もになると、特別感が薄れてきてしまった。
青と白が埋め尽くす窓の色をとても新鮮だと楽しめたのも、二回目までだろうか。夜、厚い雲の下を飛ぶときの周囲は、まるで見るものを吸い込むような暗黒になる。
これは、ほんの少しの間の贅沢で……ただの仕事で移動中の身にはわがままを言っているとは、わかってはいるけど……暇だった。
「……はー……何か、面白い事でも起こらないかしら?」
青い空をぼんやりと見て頬杖をつきながら退屈だと呟いた私が、何もかも悪かったのかもしれない。
白い雲の向こうに小さな黒い点が見えたのは……その時のことだった。
それに、あんなに良い人のローレンス侯爵が、悪事に手を染めるなんて思えない。
……とは言え、空の旅も何度も何度もになると、特別感が薄れてきてしまった。
青と白が埋め尽くす窓の色をとても新鮮だと楽しめたのも、二回目までだろうか。夜、厚い雲の下を飛ぶときの周囲は、まるで見るものを吸い込むような暗黒になる。
これは、ほんの少しの間の贅沢で……ただの仕事で移動中の身にはわがままを言っているとは、わかってはいるけど……暇だった。
「……はー……何か、面白い事でも起こらないかしら?」
青い空をぼんやりと見て頬杖をつきながら退屈だと呟いた私が、何もかも悪かったのかもしれない。
白い雲の向こうに小さな黒い点が見えたのは……その時のことだった。



