「そして、俺はシュゼットに似た人が、この飛空挺に乗っていたという情報を得たんだ。乗船名簿にはいくら探しても、君の名はなかった。事情があって偽名で乗っていたなら、それは納得」

「それだけで……飛空挺に乗っていたの? クロード」

 私の似た人が居るだけの、不確かで頼りない情報なのに……。

「それだけでも、十分だ。探し当てる可能性が1%でもあるなら、賭けたかった。こうしてシュゼットに会えた。俺は、賭けに勝った。だから、それはやる価値があった挑戦だということになる」

「……クロードはなんだか、変わったね。昔はただ可愛いだけだったのに」

 年下の可愛い笑顔の天使は、今では芸術的な彫像のような鍛え抜かれた身体を持つ勇者なのだ。

 時の流れは、残酷……いいえ。お互いにただ、育って世の中を知ったとも言えるけど。

「シュゼットは昔も可愛かったけど、今は綺麗になって色気が出たね。あの頃の俺が可愛いと思って居るなら、それはそうした方がシュゼットに好かれると思って居ただけだよ」

「……どういうこと?」

 好かれると思ってそうしていた……? 演技だったということ?