「いや……知らない。確かに勇者の剣を抜いてしまったのは、一生の不覚だが、まさか自分が勇者に選ばれてるなんて、思わなかった。最終目的である魔王を倒すまでやり遂げたんだから、その後は放っておいてくれよ」
クロードはうんざりした口調で言い、柔らかそうな腕を組んでいたギャビンは小さく息をついた。
「まあまあ、少しだけで良いから話を聞いて下さい。僕は別にクロードと、口喧嘩したい訳ではないです」
「わかった……今は邪魔だから、俺の船室にでも待機していてくれ。話だけは聞いてやる」
その後、クロードが投げやりに部屋番号を告げると、ギャビンは黙ったまま大人しく、上に向かって飛び、天井をすり抜けて行ってしまった。
「翼猫……? 猫に翼がある魔獣なんて居るのね。凄いわ……天井を通り抜けて行ってしまった」
私が感心して呟くと、クロードは目を細めて頷いた。
「ああ。あれは、翼猫の能力で……いや、それは良いんだ。やっぱりシュゼットは、育ちが違うね。いきなり空飛ぶ猫が室内に飛び込んできても、とりあえず挨拶はするし……生まれや育ちは、どうしても隠せないね」
クロードはうんざりした口調で言い、柔らかそうな腕を組んでいたギャビンは小さく息をついた。
「まあまあ、少しだけで良いから話を聞いて下さい。僕は別にクロードと、口喧嘩したい訳ではないです」
「わかった……今は邪魔だから、俺の船室にでも待機していてくれ。話だけは聞いてやる」
その後、クロードが投げやりに部屋番号を告げると、ギャビンは黙ったまま大人しく、上に向かって飛び、天井をすり抜けて行ってしまった。
「翼猫……? 猫に翼がある魔獣なんて居るのね。凄いわ……天井を通り抜けて行ってしまった」
私が感心して呟くと、クロードは目を細めて頷いた。
「ああ。あれは、翼猫の能力で……いや、それは良いんだ。やっぱりシュゼットは、育ちが違うね。いきなり空飛ぶ猫が室内に飛び込んできても、とりあえず挨拶はするし……生まれや育ちは、どうしても隠せないね」



