「行き始めた学校行事で観光した先で……勇者の剣を、抜いてしまったんだ。それからは、もう怒涛だった。役目を辞すことなんて許されず、行動は全て決められていて、魔王城まで行くしかなかった」
「まあ、なんだか……とても、大変だったのね」
世界を救ってくれた勇者が、どういった行動を取るかなんて、救われた私たちはほとんど知らない。特に有名なエピソードを聞いて、感心するだけ。
「うん。本当に大変だった。けど、今は良かったと思っている。何もかも……すべて、終わったことだし」
「立派になったわ……あの時は、本当に貴方は可愛かったから」
あの時のクロードは、本当に可愛かった。また可愛いと言ったけど、クロードは諦めてしまったのか、子ども扱いするなとは言わなかった。
なんだか、今ではもう……何もかもが、違う二人だ。
ついつい懐かしさが押し寄せて言葉を詰まらせた私に、エールが注がれたジョッキを置いたクロードは首を傾げて言った。
「さっき……シュゼットは仕事だと行ったけど、偽名を使って飛空艇で何かを運ぶの? それって、俺からすると、何だか危ない仕事のような気がするんだけど……」
「まあ、なんだか……とても、大変だったのね」
世界を救ってくれた勇者が、どういった行動を取るかなんて、救われた私たちはほとんど知らない。特に有名なエピソードを聞いて、感心するだけ。
「うん。本当に大変だった。けど、今は良かったと思っている。何もかも……すべて、終わったことだし」
「立派になったわ……あの時は、本当に貴方は可愛かったから」
あの時のクロードは、本当に可愛かった。また可愛いと言ったけど、クロードは諦めてしまったのか、子ども扱いするなとは言わなかった。
なんだか、今ではもう……何もかもが、違う二人だ。
ついつい懐かしさが押し寄せて言葉を詰まらせた私に、エールが注がれたジョッキを置いたクロードは首を傾げて言った。
「さっき……シュゼットは仕事だと行ったけど、偽名を使って飛空艇で何かを運ぶの? それって、俺からすると、何だか危ない仕事のような気がするんだけど……」



