「いや、凄いですね。クロード。ちゃんと仕事していたんですね」

 ギャビンは興奮気味にそう言い、クロードは飲んでいた紅茶のカップを置いて肩を竦めた。

「それは、結果的に……まあ良いや。ギャビン。これはちゃんと国王陛下に言っておいてよ。俺は世界を救った勇者として、世のため人のために働いているってさ」

「もちろんですとも!」

 ギャビンは綺麗に新聞を折りたたみ、まるで騎士の誓いでもするかのように胸に手を当てた。

「まあ……別に俺も人助けしたくない訳ではないし、一番の目的のシュゼットだって見つかったし、これからは出来る範囲で色々やるよ」

 クロードがそう言えば、ギャビンは肉球を合わせて目をキラキラとさせた。

「そういう言葉を、待っていました! クロード。ようやく勇者としての自覚が芽生えたのですね! リベルカ王国国王陛下にも、僕からそう報告しておきますね!」