何かしら……それは、確かにその通りなのだけれど、えも言われぬ気持ちになってしまう。
だから、騙されていてただ手紙を配達していただけとなった私は、ノディウ王国の司法では晴れて無罪となり、クロードと一緒に私の家出したトレイメイン伯爵家へと向かっている。
……私にはそれでも、あの人を……ローランス侯爵を憎み切る事が出来なかった。家出したのに無事だったのは、あの人が私を一番に見つけたからだ。
その事については、感謝をしている。たとえ利用するためであったとしても、ある意味では救って貰えていたのだから。
そして、新聞で大々的に報道されてわかったことだけれど、ローレンス侯爵が密輸先としていたのは、ギャビンがクロードに『悪事を暴いて欲しい』とお願いした大臣だったのだ。
今はそれが判明し、ギャビンは新聞を見て興奮して騒いでいた。
けれど、勇者の案内人に選ばれし翼猫は、他の人の目から姿を消すことも出来るらしく不可思議な現象も注目されていない。
誰かが目をこらせば、勝手に新聞が浮いていることに気が付く人だって居るかもしれないけれど……人は人のことを、そこまで注目して見て居ないということなのかしら。
だから、騙されていてただ手紙を配達していただけとなった私は、ノディウ王国の司法では晴れて無罪となり、クロードと一緒に私の家出したトレイメイン伯爵家へと向かっている。
……私にはそれでも、あの人を……ローランス侯爵を憎み切る事が出来なかった。家出したのに無事だったのは、あの人が私を一番に見つけたからだ。
その事については、感謝をしている。たとえ利用するためであったとしても、ある意味では救って貰えていたのだから。
そして、新聞で大々的に報道されてわかったことだけれど、ローレンス侯爵が密輸先としていたのは、ギャビンがクロードに『悪事を暴いて欲しい』とお願いした大臣だったのだ。
今はそれが判明し、ギャビンは新聞を見て興奮して騒いでいた。
けれど、勇者の案内人に選ばれし翼猫は、他の人の目から姿を消すことも出来るらしく不可思議な現象も注目されていない。
誰かが目をこらせば、勝手に新聞が浮いていることに気が付く人だって居るかもしれないけれど……人は人のことを、そこまで注目して見て居ないということなのかしら。



