私は小さな机の上に置いたフルーツサンドの山と、お祝い仕様の飾り付けを見た。面積の都合上、小山のようになってしまっているけれど、仕方ないわ。

 クロード……喜んでくれたら良いけど……。

 眠ったままのクロードを見れば、窓から光が差していて、そろそろ朝日が上がりそうだった。

 私とギャビンは結構音を立ててしまっていたように思うけれど、クロードは起きずにぐっすり眠っていたからギャビンの魔法の粉の効果は大きいみたい。

 彼の寝顔を見られることはあまりないんだけど、あどけなくて可愛い……まるで、幼い頃のクロードみたいだ。

 ……ずっと、私を探して居てくれたんだ。

「あの……シュゼット。もう……良いんじゃないですか。クロードのことが、好きなんでしょう。僕は男の趣味が悪いとは思うんですけど、誰かから見れば一目瞭然ですし、そろそろ素直になっても……不自然ですよ」

「……そうね」

 濡れた肉球を布巾で拭いているギャビンに諭(さと)されて、私は小さく頷いた。