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大きな身体を持つクロードは私の部屋の浴室だと狭いと言うことで、就寝前に近くにある湯浴み施設へと行っている。
だから、現在私と彼が明確に離れている時間はここしかない。
仕事中も分身とか言う反則技で、仕事している私の事を見ているらしいし……クロードでないと通報するしかない行動だった。
「ねえ。ギャビン。居る?」
私が何もいない空間に呼びかけると、紫の猫は思った通りにすぐに現れた。ただし、今回は窓をすり抜けたので、驚きはなかった。
「なんでしょう? シュゼット」
ギャビンは不思議そうな表情で、首を傾げていた。ふわふわの猫がそういう仕草をするのはとても可愛い。
「あの、お願いがあるんだけど……聞いてくれる?」
そして、私はクロードに内緒で翼猫ギャビンと、とある相談をすることが出来た。



