「すごいわ。ギャビン。状態異常って、どんなことが出来るの?」

「眠らせたり毒状態にしたり、混乱させて行動不能にしたり出来るんです」

 興味津々で聞いた私に、ギャビンはピンと張った髭を伸ばしながら答えた。

「ギャビンは翼猫だから飛行出来るし、物体をすり抜けられる。だから、回避能力が異常に高いんだ。攻撃するには特殊な魔法を使うしかない」

 クロードは夕飯を食べながら、私の知りたいだろう情報を補足してくれた。

「そうそう。そう言うことなんです。シュゼット。つまり、激戦を重ねる勇者の傍に居ても、僕は邪魔をすることなく援護することも可能! どれだけ有能な案内人であるか、良くわかりますね」

「……自分でそれを言ったら、台無しだけどな」

 クロードはとても嫌そうな顔をして言い、ギャビンはそこで遠慮せずムッとした顔で睨んだので、長旅を共に過ごしていた二人の様子が垣間見れて、私はついつい微笑んだ。