そういえば、クロードはパーティ全員追放したくらいなのに、案内人ギャビンだけはずっと一緒に居たのよね……。

「あ。ギャビンは、どうして追放されなかったの?」

 クロードは魔王を打ち倒す旅の中で、自分以外邪魔だと思うくらいだったのだ。案内人はそれほど重要な役割だったのだろうか。

「こいつが居ないと、次に何処に行けば良いかわからない。先んじて全部言えと言っても、翼猫の誇りにかけてそれは出来ないって言うんだ。仕方なかった」

「またまた~、何を言っているんです。クロード。僕が有能だったからでしょう? 僕の撒く魔法の粉は状態異常に陥らせることが出来ますし、力の弱い魔物であれば『|翼猫の声(キリングボイス)』つまり、声を出すだけで一掃出来るんです。とても役に立つ存在だから、追放など出来るはずもありません」

「まあ……それは、確かに否定しないな」

 机に立っているギャビンは誇らしげにふわふわの胸に手を付き、クロードはなんとも言えない表情を見せていた。

 クロードがそう言うってことは、ギャビンって本当に凄い存在なのかもしれない。