(総愛され予定の)悪役令嬢は、私利私欲で魔法界滅亡を救いたい!

 本当に意味がわからないし、王太子妃なんて面倒くさそうで絶対に嫌だし、両親がエルネストを狙えっていうのも、第二王子だったからだし……。

「ロゼッタ……兄上と、婚約するのか?」

 さっきから呆然としているエルネストは驚きに満ちた声を出して振り向いたけれど、そんな訳はないです。そんな訳がある訳はないです。

 ディリンジャーは確かに名家のひとつだけど、王太子と結婚が出来るほどではないです。

「いえいえ。エルネスト殿下……嘘に決まっています。王太子殿下はご冗談が、お上手で……もう」

 なんと言って誤魔化して良いものか、内心ひやひやしながら私は棒読みで答えていた。王太子殿下は楽しそうだけど、私は本当に居たたまれないよ!?

「そうですよね。ディリンジャー先輩は、王子と結婚なんて面倒だって、前に言ってましたもんね」

 イエルクはぼそりと呟いたけれど、それって、今言う必要ないよね!?

「いやいや、面倒などなかろう。ただ、僕と結婚するだけだ」

 私はその時に気がついた。王太子殿下、完全に楽しんでいる。私のあわてぶりだって、きっと。