(総愛され予定の)悪役令嬢は、私利私欲で魔法界滅亡を救いたい!


 そうだよね。本気ではないよね。本気ではないって言って!

 王太子殿下の思わぬ爆弾発言に周囲はざわめくし、その相手であるはずの私だって、なんと言って良いものかわからずに固まって居た。

 ここで否定すると、不敬にならない? エルネストはただ優しいから、以前のロゼッタのことを許してくれていたけれど、本来なら王族って逆らってはいけない人なのよ!

「僕は、嘘は言わぬ。ロゼッタの家はディリンジャーなのか。魔法界でも歴史ある名家だ。丁度良い。僕に婚約者は居ないし、二人がどうなろうが何の問題もない」

 ええええっ……色々問題あり過ぎると思うし、ディリンジャー家の両親だって王太子殿下とロゼッタが結婚出来るなんて、絶対に考えてもいないですよ!?

 これはとんでもないことに巻き込まれてしまったかもしれないと、顔を青くした私は、この場から消え去りたい気持ちでいっぱいだった。

 魔法学園なんだけど、そういう魔法は使えないはずだ……瞬間移動が出来てしまうと、色々と不都合あるもんね。

 止めてー!! どうして王太子殿下は、あんな事を言ったの?