私の赤魔法を一点集中させた。予想ではそこに小さな穴が開けば良い程度に思って放った魔法……それが、私たちに相対するグーフォの学生二人を囲む結界を焼き尽くすなんて、思いもしなかった。
「なっ……!」
「嘘だろ!?」
彼らは驚いていた。申し訳ないけれど、私だって驚いていた。イエルクは驚いている彼らの隙をついて、杖を弾き飛ばし、手首を黒い蛇のようなもので捕らえると、審判に合図を送った。
相手が戦闘不能だから、彼らを連れ出せということだ。二人が場外に運ばれるのを見ながら、私は指輪をじっと見つめた。
なんだったの……? 今はもう青い光も見えない。何も感じない。
けれど、この指輪は私に力を与えてくれた。
「……ディリンジャー先輩。この勝負は会長とお兄さんの、一騎打ちで決まります」
イエルクに声を掛けられ、指輪に気を取られていた私は顔を上げた。見ていない間に、三年生の先輩たちがグーフォに勝利し、今戦っているのは、エルネストとサザールだった。
「なっ……!」
「嘘だろ!?」
彼らは驚いていた。申し訳ないけれど、私だって驚いていた。イエルクは驚いている彼らの隙をついて、杖を弾き飛ばし、手首を黒い蛇のようなもので捕らえると、審判に合図を送った。
相手が戦闘不能だから、彼らを連れ出せということだ。二人が場外に運ばれるのを見ながら、私は指輪をじっと見つめた。
なんだったの……? 今はもう青い光も見えない。何も感じない。
けれど、この指輪は私に力を与えてくれた。
「……ディリンジャー先輩。この勝負は会長とお兄さんの、一騎打ちで決まります」
イエルクに声を掛けられ、指輪に気を取られていた私は顔を上げた。見ていない間に、三年生の先輩たちがグーフォに勝利し、今戦っているのは、エルネストとサザールだった。



