「ふぅ、書き終わったぁ!」
私は筆を置き、満面の笑みで椅子の背もたれにもたれ、くるくる回った。
私は壁に掛けている夕日のイラストが描かれているカレンダーを眺める。
あの出来事を経て、どれぐらい時間が経ったのだろうか。
…ちょうど6年ぐらいだろうか。
約6年前の秋、私はやってはいけない罪を犯した。
…いじめを見捨てたことだ。
見捨てた、とは言わないかもしれない。
だけど、私は大好きな人のことを「強いから」っていう理由でそんなにその『いじめ』の事をあまり不安に思っていなかった。
だから、私は見捨てた、と言ってもいいはずだ。
あの日の出来事のショックから、私はずっと学校にはいけていなかった。
本当に起こった出来事、事実なんだって、信じたくなかったから。
いつも強く生きていて、SNSでこっそりと明るくて輝いている河原から見える夕日のイラストを投稿している美沙希ちゃん…ううん、瑞希ちゃんが大好きだった。
『だった』はおかしい。今も大好きだ。
それなのに、希空達がいじめたせいで…瑞希ちゃんは楽園へと自ら飛び立った。
物語も全く違う。あれは理想の物語だ。実際はもっと残酷だった。
私が瑞希ちゃんへ話しかけたところまではあっている。
敬語ではなかったけれど。
問題はその後だ。
希空達のいじめはヒートアップした。
瑞稀ちゃんの弁当を汚物入れに入れたり、体操服を切り破ったりしていた。
私はそれを見かけて、瑞稀ちゃんを心配して声を掛けた。
それで、返ってきた言葉は
「ううん、大丈夫だよ。心配してくれてありがとね」
微笑んで返してくれた。目に希望という輝きを入れて。
だから、私はそれを信じて、あの幸福な時間を過ごしていた。
でも、瑞希ちゃんにとっては過酷、いや地獄な時間だった。
瑞希ちゃんにとって、大丈夫ではなかったのだ。
私は少しでも瑞希ちゃんを助けたかった。
だから、ずっとそばにいたつもりだった。そう、つもりだった。
夏に瑞希ちゃんは不登校になったのだ。
私は心配で家に行ったことはあるけれど、瑞希ちゃんは一度も出たことはなかった。
精神的にもギリギリの状態だったのだろう。
そして、あの日、2/14。瑞希ちゃんは私に手紙を残して、消えた。
『私の大好きな君へ
こんなの書くの多分、私らしくないよね。でも、それでも良い。
私にとって、君は最高の居場所だったんだから。
今までずっと一緒にいてくれてありがとう。
どんなに辛い事があっても君がいたから、頑張れた。
でも、もう限界みたい。
君にとって大好きな強い私じゃなくてごめんね
源本 瑞希』
こんなに心が広いのに、どうして神様は瑞希ちゃんを見捨てたりしたのですか?
どうして神様は希空達を手助けしたのですか?
こんなのおかしすぎる。
その思いから私は6年前からずっと考えてた計画を実行してきた。
神様と希空達への最悪なプレゼントとして。
私は誰にも言ったことなかった特技である『小説を書くこと』それを武器にして戦うことにした。
そして今日、2/14に達成する事ができた。
あとは…この投稿ボタンを押すだけ。
私は目に涙を溜めながら、カーソルを合わす。
やっとこの舞台は終わるんだ、そう思うと今までの悲しみ、苦しみが報われた気分になる。
「瑞希ちゃん、佳奈子やったよ」
私、櫻井佳奈子は1息吐く。
もう、これで復讐劇を終わらす…
私は投稿ボタンを押した。
ー『明日を生きる為に今日を書く』
これは私と瑞希のための復讐劇となる物語。
『明日』という苦しみの世界へ革命を起こす為の物語。
私は筆を置き、満面の笑みで椅子の背もたれにもたれ、くるくる回った。
私は壁に掛けている夕日のイラストが描かれているカレンダーを眺める。
あの出来事を経て、どれぐらい時間が経ったのだろうか。
…ちょうど6年ぐらいだろうか。
約6年前の秋、私はやってはいけない罪を犯した。
…いじめを見捨てたことだ。
見捨てた、とは言わないかもしれない。
だけど、私は大好きな人のことを「強いから」っていう理由でそんなにその『いじめ』の事をあまり不安に思っていなかった。
だから、私は見捨てた、と言ってもいいはずだ。
あの日の出来事のショックから、私はずっと学校にはいけていなかった。
本当に起こった出来事、事実なんだって、信じたくなかったから。
いつも強く生きていて、SNSでこっそりと明るくて輝いている河原から見える夕日のイラストを投稿している美沙希ちゃん…ううん、瑞希ちゃんが大好きだった。
『だった』はおかしい。今も大好きだ。
それなのに、希空達がいじめたせいで…瑞希ちゃんは楽園へと自ら飛び立った。
物語も全く違う。あれは理想の物語だ。実際はもっと残酷だった。
私が瑞希ちゃんへ話しかけたところまではあっている。
敬語ではなかったけれど。
問題はその後だ。
希空達のいじめはヒートアップした。
瑞稀ちゃんの弁当を汚物入れに入れたり、体操服を切り破ったりしていた。
私はそれを見かけて、瑞稀ちゃんを心配して声を掛けた。
それで、返ってきた言葉は
「ううん、大丈夫だよ。心配してくれてありがとね」
微笑んで返してくれた。目に希望という輝きを入れて。
だから、私はそれを信じて、あの幸福な時間を過ごしていた。
でも、瑞希ちゃんにとっては過酷、いや地獄な時間だった。
瑞希ちゃんにとって、大丈夫ではなかったのだ。
私は少しでも瑞希ちゃんを助けたかった。
だから、ずっとそばにいたつもりだった。そう、つもりだった。
夏に瑞希ちゃんは不登校になったのだ。
私は心配で家に行ったことはあるけれど、瑞希ちゃんは一度も出たことはなかった。
精神的にもギリギリの状態だったのだろう。
そして、あの日、2/14。瑞希ちゃんは私に手紙を残して、消えた。
『私の大好きな君へ
こんなの書くの多分、私らしくないよね。でも、それでも良い。
私にとって、君は最高の居場所だったんだから。
今までずっと一緒にいてくれてありがとう。
どんなに辛い事があっても君がいたから、頑張れた。
でも、もう限界みたい。
君にとって大好きな強い私じゃなくてごめんね
源本 瑞希』
こんなに心が広いのに、どうして神様は瑞希ちゃんを見捨てたりしたのですか?
どうして神様は希空達を手助けしたのですか?
こんなのおかしすぎる。
その思いから私は6年前からずっと考えてた計画を実行してきた。
神様と希空達への最悪なプレゼントとして。
私は誰にも言ったことなかった特技である『小説を書くこと』それを武器にして戦うことにした。
そして今日、2/14に達成する事ができた。
あとは…この投稿ボタンを押すだけ。
私は目に涙を溜めながら、カーソルを合わす。
やっとこの舞台は終わるんだ、そう思うと今までの悲しみ、苦しみが報われた気分になる。
「瑞希ちゃん、佳奈子やったよ」
私、櫻井佳奈子は1息吐く。
もう、これで復讐劇を終わらす…
私は投稿ボタンを押した。
ー『明日を生きる為に今日を書く』
これは私と瑞希のための復讐劇となる物語。
『明日』という苦しみの世界へ革命を起こす為の物語。

